健栄製薬、大阪・淀川区に新工場建設、後発医薬品の安定供給体制を強化

・大規模成長投資補助金を活用

健栄製薬(大阪市中央区)は10月16日、大阪市淀川区田川北に「十三第2工場」を新設すると発表した。中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金の交付決定を受け、約117億円規模の投資プロジェクトを本格始動させる。

■プロジェクトの背景と目的

新工場建設は、便秘症治療薬や後発医薬品の生産能力向上を主な目的としている。総事業費は117億円に上り、医薬品製造工場の新築建設費および設備費が補助対象となる。同社は10月9日付で中堅・中小成長投資補助金事務局から交付決定通知書を受領した。

■賃上げ計画と投資効果

補助金の交付条件として、同社は従業員1人当たり給与支給総額を9.01パーセント、役員1人当たり給与支給総額を6.50パーセント増加させる賃上げ目標を設定した。対象期間は2028年8月期から事業終了年度である2031年8月期まで。

同社は「医薬品の安定供給を通して世の中に貢献し、売上増・利益増を図る。その原資を社員に還元し、努力と幸せの好循環を実現したい」とコメントしている。

■業界への影響

後発医薬品の供給不安が続く中、大手ジェネリック企業による大規模な生産能力増強は業界全体の安定供給体制強化に寄与すると期待される。特に便秘症治療薬分野での生産性向上は、高齢化社会における医療ニーズに対応する上で重要な取り組みとなる。

新工場の稼働により、同社の製造キャパシティは大幅に拡大する見込みで、医薬品流通の安定化に一定の貢献が見込まれる。

<新工場計画概要>
・名称:健栄製薬株式会社 十三第2工場
・所在地:大阪府大阪市淀川区田川北2-5-56
・建築面積:1,717.00㎡
・延べ床面積:7,778.38㎡
・建屋構造:鉄骨造6階建
・着工時期:2026年7月(予定)
・竣工時期:2027年9月(予定)
・生産品目:便秘症治療薬、後発医薬品
・総事業費:116億9,157万5,100円
・補助金:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金
・交付決定日:2025年10月9日

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