豊田自動織機、フォークリフト2製品でグッドデザイン賞受賞

・環境対応と機能性を両立、物流業界の課題解決に貢献

豊田自動織機のトヨタL&Fカンパニーは10月15日、同社が開発した「トヨタ3.5-8.0トンLi-ion電動式フォークリフト」と「トヨタ2.0-J3.5トンディーゼルエンジン式フォークリフト」の2製品が、2025年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。

グッドデザイン賞は公益財団法人日本デザイン振興会が主催する国内唯一の総合的なデザイン評価制度で、1957年の創設以来65年以上の歴史を持つ。今回の受賞では、脱炭素や安全性といった社会的ニーズへの対応と、性能や使い勝手の向上を高次元で両立させた点が高く評価された。

■大型Li-ion電動式、エンジン車並みの性能実現

受賞製品の一つである「トヨタ3.5-8.0トンLi-ion電動式フォークリフト」は、二酸化炭素排出量削減への要請が高まる中、高負荷・高稼働現場での電動化を実現した製品だ。大型リチウムイオン電池の採用により、従来のエンジン車に匹敵する出力を確保。急速充電にも対応し、長時間稼働を可能にした。

大型タイヤの装備により走破性を向上させたほか、高い耐水性を実現し泥路面などの屋外環境でも使用できる。稼働状況をデータ化するテレマティクス機能を標準装備し、作業改善や安全管理を支援する。

運転者の快適性にも配慮し、透明樹脂ルーフによる広い視界の確保や、ショックを低減するフローティングキャビン構造を採用している。

審査員は「大型Li-ion電池を収めるために拡張されたフレームが、強靭さと安定感を印象づけるデザインへと昇華されている」と評価。環境対応の新世代を象徴しながら、堅牢さと先進性、人への優しさを高次元で両立させたデザインと位置づけた。

同製品は2026年春に北米で発売予定。日本国内での発売時期は未定としている。

■ディーゼル機、視認性と整備性を大幅改善

もう一つの受賞製品「トヨタ2.0-J3.5トンディーゼルエンジン式フォークリフト」は、安全性、使いやすさ、耐久性といったフォークリフトの本質的価値を追求した機能的デザインが特徴だ。

カウンターウェイトの形状を大幅に変更し、フォークリフト後端の視認性を向上。後退時の壁寄せ作業を容易にしたほか、旋回時の操作性改善や接触時のダメージ軽減を実現した。接触時の傷がカウンターウェイト下部に集中するよう凸部を設け、補修範囲の縮小にも成功している。

定期整備部品を取り外しやすい構造を採用し、整備性を向上させるなど、サービス性への配慮も徹底した。

審査員は「視認性・取り回し・メンテナンス性といった要素を総合的に見直してデザインされた一台」と評価。堅実な機能美と人に寄り添うデザイン性を兼ね備えた、完成度の高いプロダクトと位置づけた。

同製品は2025年1月から日本国内で販売されている。

豊田自動織機は「培ってきた技術とデザイン力を生かし、物流業界の課題解決や業界の発展に貢献していく」としている。物流業界では人手不足や環境規制強化への対応が喫緊の課題となっており、今回受賞した2製品は、こうした課題解決に向けた同社の取り組みを象徴する製品といえる。

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