日本産業機械工業会がまとめた2025年8月の産業機械受注総額は5,326億円となり、前年同月比56.9%の大幅な増加となった。内需が2,871億円(同23.0%増)、外需が2,455億円(同131.9%増)といずれも好調に推移した。
内需では製造業向けが56.2%増、非製造業向けが55.5%増と大幅に伸びた一方、官公需向けが▲32.6%減、代理店向けが▲7.0%減と減少した。機種別では6機種が増加し、特に金属加工機械(96.1%増)、ボイラ・原動機(79.8%増)、運搬機械(48.7%増)、タンク(40.6%増)、その他機械(33.7%増)、送風機(19.2%増)が大きく伸びた。減少したのは鉱山機械(▲32.3%減)、プラスチック加工機械(▲26.8%減)、変速機(▲23.2%減)、化学機械(▲12.2%減)、ポンプ(▲15.4%減)、圧縮機(▲0.1%減)の6機種だった。
外需では5件・385億円のプラント受注により228.3%増を記録した。機種別ではボイラ・原動機(655.6%増)、金属加工機械(450.3%増)、化学機械(249.6%増)、タンク(100.0%増)、変速機(22.8%増)、運搬機械(0.6%増)、ポンプ(4.0%増)、その他機械(7.8%増)の8機種で増加した。一方、鉱山機械(▲59.3%減)、プラスチック加工機械(▲49.1%減)、圧縮機(▲30.6%減)、送風機(▲15.0%減)の4機種は減少した。
■輸出契約、152.8%増の2,333億円
プラント・単体機械ともに好調
8月の輸出契約額は、主要約70社で2,333億円と前年同月比152.8%の大幅増となった。プラント契約は5件・385億円で前年同月比228.3%増、単体機械の輸出も1,949億円(同141.8%増)と大幅に増加し、全体を押し上げた。
地域別では、アジアが56.7%、北アメリカが20.3%、ロシア・CISが11.7%、中東が5.5%、ヨーロッパが5.1%の構成比となった。
単体機械の機種別では、ボイラ・原動機(721.0%増)、金属加工機械(466.0%増)、化学機械(119.7%増)、運搬機械(93.4%増)、冷凍機械(30.8%増)、変速機(25.8%増)、鉱山機械(17.6%増)、その他機械(2.4%増)の8機種が増加した。一方、プラスチック加工機械(▲51.8%減)、圧縮機(▲30.6%減)※、風水力機械(▲18.5%減)、送風機(▲15.0%減)※の4機種は減少した。
※圧縮機と送風機は風水力機械に含まれる
■環境装置の受注、▲3.2%減、
大気汚染防止装置の減少が響く
8月の環境装置受注額は348億円で、前年同月比▲3.2%減となった。官公需向けの減少が全体を押し下げた。
需要部門別では、製造業向けが化学向け集じん装置、機械向け集じん装置、産業廃水処理装置の増加により3.8%増となったが、非製造業向けが電力向け排煙脱硝装置の減少により▲31.6%減となった。官公需は下水汚水処理装置、汚泥処理装置の減少により▲3.9%減となった。外需は産業廃水処理装置の増加により218.2%増と好調だった。
装置別では、大気汚染防止装置が電力向け排煙脱硝装置の減少で▲65.6%減、水質汚濁防止装置が官公需向け下水汚水処理装置の減少で▲32.2%減、騒音振動防止装置がその他製造業向け騒音防止装置の減少で▲50.0%減となった。一方、ごみ処理装置は官公需向け都市ごみ処理装置の増加により39.9%増となった。
2025年8月の受注統計により、産業機械業界は外需の大幅な回復と製造業向け内需の好調により、力強い成長を続けていることが明らかになった。