・経産省補助金採択、福井県内に新拠点―2027年稼働予定
フクビ化学工業(福井県福井市)は10月14日、100%子会社であるフクビ岡山(岡山市東区)が、経済産業省の「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の採択を10日付で受け、高性能フェノールフォーム断熱材「フェノバボード」の第2生産拠点を福井県内に建設し、生産能力の大幅強化を図ると発表した。
フェノバボードは現在、岡山工場が国内唯一の生産拠点となっている。新工場建設により、2拠点体制による分散生産を確立し、供給網の断絶リスクを最小化するBCP(事業継続計画)体制を整える。
■断熱基準義務化で需要急増
今回の大規模投資の背景には、2025年4月からの断熱基準義務化と、住宅・建築物の省エネ性能向上要求がある。高性能断熱材の需要は近年急拡大しており、安定供給体制の構築が喫緊の課題となっていた。
新工場では、新技術導入による生産効率化と製品価値向上を図るほか、生産工程の集約化と省人化を推進。生産プロセスの革新と徹底した自動化により、高付加価値・高機能製品への対応力を強化する。また、環境先進モデル工場として、持続可能な生産体制の構築も目指す。
■共創パートナーとして成長戦略
同社は新拠点稼働により、顧客との共創パートナーとしての関係を強化。潜在ニーズを的確かつ迅速に把握し、タイムリーな製品開発を通じて継続的な企業成長を実現する方針。
補助対象事業の完了は2027年10月を予定。第2生産拠点の取得価額や補助金受給額の詳細は、今後開示するとしている。
フクビ化学グループにとって、この大規模投資は成長を牽引する中核プロジェクトと位置付けられており、国内断熱材市場における同社の存在感がさらに高まることが期待される。