バルメット、バイオテック工場の繊維向け溶解パルプ転換を支援

・ポルトガル・アルトリ社に高効率蒸発設備を納入

バルメット (Valmet):2025年10月15日

プロセス産業向け技術で世界をリードするバルメットは、ポルトガルの製紙会社アルトリ(Altri)のバイオテック(Biotek)工場に対し、新しい高エネルギー効率蒸発設備を納入すると発表した。この納入は、アルトリが同工場をクラフトパルプ生産から繊維産業向けの溶解パルプ(Dissolving Pulp)生産へ転換するために進めている7,500万ユーロ(約132億円、176円換算)のプロジェクトの一環となる。

新しい蒸発設備は、工場のエネルギー効率と水効率を大幅に向上させ、アルトリの工場拡張ニーズに対応する。

■最先端技術でエネルギー・水効率を改善

バルメットのパルプ・エネルギー・循環性担当執行副社長であるサミ・リエッコラ(Sami Riekkola)氏は、次のようにコメントしている。
「クラフトパルプ生産から溶解パルプ生産への転換は、バイオテック工場が再生可能な繊維市場へ戦略的な一歩を踏み出すことを可能にする。バルメットは、既存工場のアップグレードと世界の循環性需要への対応の両面から、お客様にライフサイクル価値を提供できることを誇りに思う。我々の産業プロセスにおける広範な専門知識と革新的な技術の組み合わせにより、工場転換のためのエネルギーと水効率の高いソリューションを提供できる。アルトリチームとの成功裏で効率的な協業を楽しみにしている」

また、バルメットのプロダクトセールスマネージャー、カリン・ベングトソン(Karin Bengtsson)氏は、最新技術の採用について次のように述べている。
「今回の蒸発設備には最先端の技術が組み込まれており、7段効用設計により大幅な蒸気削減を実現するとともに、工場内で再利用可能なクリーンな凝縮水を生成する。さらに、バルメットのTubeとTubelの両エバポレーターを組み合わせることで、長い耐用年数と高い稼働率を提供する。」

■受注詳細と稼働時期

バルメットの受注は2025年第3四半期の受注高に含まれる。この規模と納入範囲の受注額は、通常2,500万〜3,000万ユーロ(約44億〜53億円、176円換算)とされている。新しい蒸発設備は、2027年第3四半期に稼働を開始する計画だ。

◾️バルメット納入品の詳細
・新しい7段効用バルメット蒸発設備が含まれる。
・設計容量は毎時350トンの蒸発水処理能力を持ち、75%乾燥固形分の濃縮廃液を生成する。
・納入範囲には、蒸発システムのエンジニアリング、調達、据付工事が含まれる。
・TubeとTubelエバポレーターの採用により、長期寿命、高稼働率、優れた凝縮水分離を確保。
・バルメット凝縮水処理システムも装備し、工場での淡水使用量を削減する高品質なクリーン凝縮水の生成を可能にする。

■顧客アルトリ社について

ユーカリ繊維生産、持続可能な森林管理、再生可能エネルギー生産における欧州の大手企業。ポルトガル国内にセルビ(Celbi)、バイオテック(Biotek)、カイマ(Caima)の3つのパルプ工場を保有し、合計で年間約120万トンの市場向けセルロースパルプ生産能力を持つ。バイオテック工場は現在、年間26万トン超の漂白ユーカリパルプを生産している。

■バルメットについて
バルメットは、プロセス産業にサービスを提供するグローバルな技術リーダーである。同社は、顧客とライフサイクル全体を通じて協力し、最先端の技術とサービス、ならびにミッションクリティカルなオートメーションおよびフロー制御ソリューションを提供している。225年以上にわたる産業経験と、顧客の近くにいる19,000人以上の専門家からなるグローバルチームに支えられ、産業を再生的な未来へと変革する独自の立場にある。
2024年におけるバルメットの売上高は、約54億ユーロ(約9,504億円、176円換算)に達した。本社はフィンランドのエスポーにあり、世界約40か国に専門家を擁している。バルメットの株式はナスダック・ヘルシンキに上場している。

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