・バリック社と連携しダウンタイムを最小化
ABB:2025年10月14日
ABBは10月14日、ドミニカ共和国のプエブロ・ビエホ(Pueblo Viejo)金鉱山において、計画停止期間中にギヤレスミルドライブ(GMD)の保守サービスを完了したと発表した。同鉱山を運営するバリック・ゴールド(Barrick Gold)との長期サービス契約(LTSA)の一環として実施されたもので、稼働から10年以上が経過した重要設備の安定稼働を支援した。
同鉱山では、2025年の金生産目標65万オンス達成に向けて停止時間が厳しく制限されており、ABBのフィールドサービスチームは現場オペレーターと連携し、迅速な動員とリアルタイム対応で作業を完遂。予定外の停止を防ぎ、計画停止時間も最小限に抑えた。国家GDPの約2%を占める同鉱山の操業継続に寄与したかたちだ。
今回の作業では、詳細なマッピング検査に基づくステータ巻線固定部の最適化が主要項目となった。150時間に及ぶ計画停止期間中、ABBの専門技術者チームが専用工具や資材を動員し、精密なスケジュール管理のもと大規模な保守作業を遂行した。
プエブロ・ビエホ鉱山プロセス部門マネージャーのビクター・マルティネス(Victor Martinez)氏は「当鉱山にとって設備稼働率の確保は極めて重要。GMDメーカーであるABBとの長期協業は、運転チームが一体となって取り組む理想的なパートナーシップだ」とコメントした。
ABBプロセス産業部門のギヤレスミルドライブ・ライフサイクルマネージャー、マルティン・ゲルハルト(Martin Gerhard)氏は「このプロジェクトは、ABBが提供するミッションクリティカルな現場サービスの価値を示すもの。定期的な点検や予防・予知保全の重要性を改めて裏付けた」と述べている。
プエブロ・ビエホ鉱山は、首都サントドミンゴの北西約100kmに位置し、バリック(出資比率60%)とニューモント(Newmont、40%)の合弁会社プエブロ・ビエホ・ドミニカーナ社(Pueblo Viejo Dominicana Corporation)が運営。2012年に操業を開始した。
ABBのギヤレスミルドライブは機械式駆動系を排除し、鉱石粉砕工程の効率と信頼性を高める中核装置であり、エネルギー効率向上と排出削減を実現。低炭素社会に向けた重要鉱物供給を支える技術として、世界各地の鉱山で採用が進んでいる。
ABBは電化・自動化分野のグローバルリーダーとして、約11万人の従業員を擁し、持続可能で資源効率の高い産業運営を支援している。プロセスオートメーション事業部では、エネルギー、水、資源供給から製造・物流に至るまで、各産業の自動化・電動化・デジタル化を推進している。
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