米カミンズ、トラクター向け新型4.5L構造エンジンを展示、アグリテクニカ2025に出展

カミンズ社(Cummins Inc.):2025年10月13日

カミンズは、2025年11月9日から15日にかけてドイツ・ハノーファーで開催される国際農業機械展「アグリテクニカ(Agritechnica)」に出展し、新型4.5リットル構造エンジンをトラクター向けに初披露する。世界的な動力技術メーカーとして知られる同社は、耐久性および信頼性に優れ、機械統合性やサービス容易性を重視した製品群を展開している。今回の展示では、エンジン・排気後処理・アクスル(車軸)など多様なソリューションを紹介する。

トラクターや収穫機など農業機械分野において、カミンズはグローバル規模のサポート体制と製品供給力で存在感を強めており、1900年代初頭から続く農業向け技術の蓄積が強みだ。歴史ある「Hvid(ヒビッド)」モデルシリーズを皮切りに、現在では3.8〜15リットルを網羅するエンジンラインアップを構築。トラクター以外にもコンバイン、収穫機、散布機、ローダー、テレハンドラー等で幅広く採用されている。

アグリテクニカ2025では、新開発の4.5L構造エンジンに加え、「B6.7」および「次世代X15オフハイウェイ」エンジンも出展。4.5Lは英国ダーリントン工場で量産され、最大出力130〜160馬力(95〜120kW)を発揮し、コンパクトかつ高出力密度を両立。トラクター向けに十分な低速トルクと応答性、高い燃費性能を兼備する。排気後処理装置は用途やグローバル排出規制対応に合わせ複数種類の選択肢を用意。
同時に展示される排気後処理「フレックスモジュール(Flex Module™)」は、ディーゼル酸化触媒(DOC)、DPF(粒子状物質フィルター)をエンジン上部などに柔軟に配置できる設計で、選択触媒還元(SCR)システムも低背型で垂直配置可能。高流量対応UL2投薬システムによるシンプルなインターフェース、パッシブ再生機能による予防保全省力化が特長となっている。

またB6.7は、実績ある高汎用性と耐久性を持ち、近年ではClaas(クラース)「Evion」コンバインやVersatile(バーサタイル)トラクターに搭載されるなど、多用途において採用が拡大。世界で累計数百万台が稼働中である。

次世代X15オフハイウェイエンジンは、大出力・高効率を追求したフラッグシップモデル。コスト低減や統合容易性、OEM企業向けゲートウェイや外部テレマティクスサービスとのデジタル連携機能などを装備。近年は燃料選択肢として、カミンズ独自のHELM™プラットフォーム上で水素仕様も披露。ディーゼル、HVO(水素化植物油)など多様なバイオ燃料対応型も展開している。

加えて、農業用トラクター・収穫機・ベーラー向け新型アクスル「Meritor MOX E8」も展示予定。モジュラー構造によるパッケージ・カスタマイズ性の向上や、ドラム・ディスクブレーキ、用途別ギヤ設定、車軸ハウジング等の共通部品を組み合わせた幅広い仕様選択により、OEMメーカーの要求に対応する。

カミンズ社はアグリテクニカ会場のホール15・ブース15K31にて出展。農業機械向けソリューションに関する詳細情報は、カミンズ公式ウェブサイトを参照のこと。
【参考展示概要】
・新型4.5L構造エンジン(ダーリントン生産、130〜160馬力、複数排気後処理選択可)
・B6.7、多用途・耐久型エンジン(実績機種)
・次世代X15オフハイウェイ(水素仕様・HELM™対応燃料アグノスティック型含む)
・Meritor MOX E8農業用車軸(モジュラー設計、幅広仕様選択)

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