ユングハインリッヒ、ドイツ・エアクラフトの最終組立物流を自動化

・PowerCubeとAutoVNAの業界初統合で、次世代航空機製造の中核を担う

ユングハインリッヒ (Jungheinrich AG ):2025年10月14日

ドイツ・ハンブルク/ヴェスリング発 ― ユングハインリッヒは、ドイツ・エアクラフト(Deutsche Aircraft)がライプツィヒ/ハレ空港(Leipzig/Halle Airport)に建設中の次世代航空機「D328eco®」の最終組立工場において、最新の自動化物流ソリューションを導入した。業界初となる「PowerCube」と「AutoVNA」の統合運用により、同社のFactory 4.0構想を支える中核インフラとして注目を集めている。

■コンパクト保管と高密度自動倉庫の融合

今回導入されたのは、ユングハインリッヒの省スペース型コンテナ保管システム「PowerCube」と、自動化された超狭通路倉庫「AutoVNA(Automated Very Narrow Aisle)」を組み合わせた革新的なソリューション。5,307個のコンテナと636パレットの保管能力を備え、限られた敷地内で最大限の保管効率を実現する。

設計段階からドイツ・エアクラフトと密に連携し、持続可能性・柔軟性・冗長性の最適バランスを追求。CO₂ニュートラルな航空機製造に不可欠な、効率的かつ柔軟なマテリアルフローを可能にしている。

■業界初の統合事例、航空機製造の新たな標準へ

PowerCubeとAutoVNAの組み合わせは、産業用途としては世界初。これにより、既存の物流プロセスへの最適な統合と、空間効率の最大化が同時に実現された。

ドイツ・エアクラフト ライプツィヒ工場の責任者であるセバスチャン・ベーニル(Sebastian Böhnl)氏は、「ユングハインリッヒは、我々が求めていた高効率かつ安全なソリューションを提供してくれた。持続可能な航空の未来に向けて、大きな一歩を踏み出した」と語る。

また、ユングハインリッヒのASRS営業統括責任者であるラース・ライキング(Dr. Lars Leiking)博士は、「この統合により、高度自動化システムが複雑な製造プロセスに実質的な価値をもたらすことを証明した。柔軟性・拡張性・省エネ性を兼ね備えたストレージ構造が、顧客のニーズに完璧に適合している」と述べている。

■Factory 4.0構想を支えるインフラとして

本プロジェクトは、ドイツ・エアクラフトが進める長期成長戦略の一環。ライプツィヒ/ハレ空港内の60,500㎡の敷地に建設されるFactory 4.0では、年間最大48機のD328ecoがCO₂ニュートラルで生産される予定だ。稼働は2直体制を基本とし、将来的には3直体制への拡張も視野に入れている。竣工は2025年末を予定。

同社の輸送・物流責任者であるミヒャエル・レンチュラー(Michael Rentschler)氏は、「ユングハインリッヒとの協業は極めてプロフェッショナルで、実装フェーズに向けて万全の体制が整っている」とコメントしている。

■持続可能な航空産業の実現へ

ライプツィヒ/ハレ空港は、24時間稼働と国際的な航空貨物拠点としての地位を活かし、革新的かつ持続可能な製造拠点として理想的な環境を提供。ユングハインリッヒのインターロジスティクス・ソリューションは、太陽光発電による完全デジタル・ペーパーレス工場の中核を担う。

本プロジェクトは、ドイツの技術革新力を世界に示すとともに、ライプツィヒをD328ecoのグローバル発信拠点として確立するものとなる。

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