・最大使用圧力350barに向上、建機・産業機械向け油圧カプラの次世代モデル
ヘリオス・テクノロジーズ (Helios Technologies, Inc.):2025年10月7日
サラソタ(米フロリダ州)発 ― モーションコントロールおよび電子制御技術の世界的リーダーであるヘリオス・テクノロジーズ(NYSE: HLIO)は10月7日、傘下のイタリア子会社ファスター(Faster S.r.l.)が、同社の代表的製品である油圧マルチカプラ「MultiFaster」の次世代モデルを発表したと明らかにした。
新型MultiFasterは、初代モデルの実績ある技術を継承しながら、性能、耐久性、操作性を大幅に向上させた製品で、建設機械、土木・鉱山機械、鉄道車両、マテリアルハンドリング機器、ユーティリティ機械、産業機械など、成長著しい新規市場の要求に応える設計となっている。
■最大使用圧力を40%向上、350barを実現
最大の特徴は、最大使用圧力が350bar(5,000PSI)に達したことで、初代モデルと比較して最大40%の向上を実現した。黒色のコーティングと専用ラベルを施した新型は、過酷な作業環境下での信頼性を大幅に向上させている。また、既存のMultiFaster全モデルは新型仕様への容易なアップグレードが可能で、あらゆる市場要求に対応できる。
ヘリオス・テクノロジーズのショーン・ベイガン(Sean Bagan)社長兼CEO兼CFOは「新型MultiFasterの発表は、当社チームの革新と卓越性への飽くなき取り組みの証だ。性能、安全性、信頼性の限界を押し広げ続けることで、油圧ソリューション分野におけるリーダーシップを再確認し、世界中で拡大する顧客アプリケーションに価値を提供するという約束を果たす」とコメントした。
■レバー式ラッチ機構で操作性と信頼性を両立
新型MultiFasterは、建設機械の標準的なアプリケーションに完全準拠する優れた使用圧力を備えるほか、ソフトなレバー操作により接続・切断作業が快適に行える。レバー式ラッチシステムの採用により、圧痕(ブリネリング)による早期故障リスクを低減し、信頼性を高めた。
複数の油圧ラインを単一のレバー操作で同時接続できるため、作業時間を大幅に短縮。マルチカプラシステムにより接続ミスを最小限に抑え、漏れや汚染のリスクを低減する。フラットフェース型カプラの採用により、作業中のオイル漏れを防止する設計だ。
左右両側にダブルレバーのオプションも用意し、最大限の柔軟性を提供。1つの接続で油圧オイル、グリース、水、グリコール、さらには電気接続にも対応する多用途性を実現している。
■主な製品仕様
現在、P506HD、P508HD、P510HDのレイアウトで提供され、今後さらにシリーズを拡充する予定。使用圧力は最大350bar(5,000PSI)で、オス側カプラには内部圧力リリーフシステムを装備し、低労力での接続を可能にした。
表面処理にはCRIII(三価クロム)耐食処理を採用し、耐久性を向上。使用温度範囲は-25℃から+100℃(-13°F~212°F)と幅広い環境での使用に対応する。特定用途向けには電気接続のカスタマイズも可能だ。
■油圧カプラで70年以上の実績
ファスターは油圧コンポーネント製造の世界的リーダーで、油圧業界で70年以上の経験を持つ。これまでに5億個以上のクイックリリースカプラを設計・製造し、100件以上の特許を取得している。イタリア本社で数百名の従業員が勤務し、クイックリリース油圧カプラ、オーダーメイド鋳造ソリューション、MultiFasterの3つの製品分野を展開。ドイツ、米国、ブラジル、中国、インドに子会社を持つ。
2018年にヘリオス・テクノロジーズの傘下に入って以降、ファスターは新製品投入と革新的な技術ソリューションによる新規アプリケーション開拓を通じて、成長をさらに加速させている。
ヘリオス・テクノロジーズは、建設、マテリアルハンドリング、農業、エネルギー、レクリエーショナルビークル、船舶、健康・ウェルネスなど多様な最終市場向けに、高度に設計されたモーションコントロールおよび電子制御技術を提供する世界的リーダー。1997年の上場以来、四半期ごとに株主への配当を継続している。
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