・売上30億ユーロ・営業利益率12%を目標に
パルフィンガー(PALFINGER AG ):2025年10月10日
パルフィンガー(本社:オーストリア・ザルツブルク)は10月10日、2030年に向けた新たな成長戦略「Reach Higher – Strategy 2030+」を発表した。顧客密着経営の深化、重点投資、業務プロセスの最適化を柱に、世界市場での競争力強化と収益性の高い成長を目指す。新たな財務目標として、2030年に売上高30億ユーロ超、EBIT(営業利益)率12%、ROCE(投下資本利益率)15%を掲げた。
同戦略は、ウィーンで開催された投資家向けイベント「キャピタル・マーケッツ・デイ」で発表されたもので、財務指標に加え、顧客満足度、従業員エンゲージメント、納期遵守率などの非財務KPIも設定。進捗を可視化しながら、長期的・持続的な成長を実現する方針を示した。
アンドレアス・クラウザー(Andreas Klauser)CEOは、「5年前に現行戦略を策定したが、世界情勢や産業環境の変化を踏まえ、次の段階へと戦略を進化させる。私たちは業界リーダーとしての地位をさらに強化し、日々進化し続ける企業を目指す」とコメント。フェリックス・シュトロービッヒラー(Felix Strohbichler)CFOは「すべての領域でレベルアップを図る」として、より高い財務目標に挑戦する姿勢を強調した。
■3つの戦略軸と5つの重点分野
「Reach Higher – Strategy 2030+」は、3つの戦略方向性で構成される。
1. Lifting Customer Value(顧客価値の最大化)
顧客ニーズに応じた統合的なソリューションを開発し、技術革新を通じて生産性と付加価値を高める。中核施策として「Technology and Market Leadership(技術・市場リーダーシップ)」プログラムを推進する。
2. Balanced Profitable Growth(持続的・均衡ある成長)
幅広い製品ラインと地域展開を活かし、成長の安定化と回復力の強化を図る。「サービス・スペアパーツ」プログラムでは、米国イリノイ州ハントリー、シンガポール、ドイツ・デュースブルクなどに新拠点を設け、グローバルサービス網を拡充。また、「高所作業車」分野では、柔軟で高性能な新製品開発を進める。
3. Execution Excellence(実行力の卓越性)
リーン化した組織構造、標準化システム、デジタル化の推進を通じて品質・納期・生産性の向上を図る。「グローバルサプライチェーン」プログラムでは、在庫・物流・計画を最適化し、AI活用による将来対応力を高める。
■ブランド価値「Lifetime Excellence」を軸に
新戦略は、同社ブランドメッセージ「Lifetime Excellence(生涯価値の提供)」を基盤とする。クラウザーCEOは、「Lifetime Excellenceは、経済的かつ信頼性の高い革新的な製品とサービス、そして“常により良くなる”という企業文化を象徴する」と語り、パッション(情熱)、ストレートフォワード(率直さ)、リーダーシップ(先導力)の3つの価値観を掲げた。
■企業概要
パルフィンガーは、クレーンやリフティングソリューションの世界的リーダーであり、革新的な技術と統合ソリューションで知られる。約1万2,350人の従業員と世界30カ所の生産拠点、広範な販売・サービス網を有し、2024年の売上高は23億6,000万ユーロ。1999年からウィーン証券取引所に上場している。
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