・現地排水基準DAO-2021対応へ、循環式硝化脱窒法を採用
JFEエンジニアリング(東京都千代田区)は10月9日、フィリピン・マニラ首都圏ケソン市に位置するタラヤン下水処理場の高度処理更新工事を、マニラッド水道サービス社(Maynilad Water Services, Inc.)より受注したと発表した。工期は2025年9月から2027年8月までを予定している。
同プロジェクトは、JFEエンジニアリングが2016年に建設・引き渡しを行った既設処理場に対し、フィリピン国の新排水基準「DAO-2021」への適合を目的とした更新工事。窒素・リン除去性能の強化が求められる中、同社がマニラッド社向けに納入実績を持つ「循環式硝化脱窒法」が再び採用された。
循環式硝化脱窒法は、好気槽で生成された硝化混合液の一部を無酸素槽へ循環させることで、排水中の窒素成分を生物学的に除去する技術。硝化と脱窒という異なる反応条件を連続的に活用し、窒素ガスとして大気中に放出することで環境負荷を低減する。
今回の受注にあたっては、同社が既設施設の構造・運用を熟知している点、ならびにプロセス技術に基づいた最適な更新提案が高く評価された。業務範囲はプロセス設計、機材調達、土建・機電工事、試運転に加え、実運転時のオペレーション確認までを含む。
フィリピンでは都市化と経済成長に伴い、下水処理インフラの整備・更新が喫緊の課題となっている。JFEエンジニアリングはこれまでに同国で30施設以上の浄水場・下水処理場を手がけており、今回の受注もその豊富な実績と技術力が裏付けとなった。
同社は今後も、フィリピンをはじめとする東南アジア地域において、水環境改善に資する技術と経験を活かし、持続可能な社会インフラの構築に貢献していく方針だ。
<受注概要>
- 発注者:マニラッド水道サービス社(Maynilad Water Services, Inc.)
- 工事名称:タラヤン下水処理場BNR更新工事
- 施工場所:フィリピン国マニラ首都圏ケソン市
- 請負者:JFEエンジニアリング株式会社
- 工期:2025年9月~2027年8月
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