・切断品質の持続・燃料効率向上、GREEN EYEパッケージや新型NUTRIMETERも投入
クラース(CLAAS):2025年10月7日
ドイツの農業機械大手クラース(CLAAS Gruppe)は、フラッグシップ型フォレージハーベスター「JAGUAR 900」シリーズ向けに、刃の摩耗状態をリアルタイム監視し必要なタイミングで研磨を行う新アシストシステム「CEMOS AUTO KNIFE CONDITION」を発表した。世界初の市販対応システムで、切断品質を常に最適化しつつ、摩耗・燃料消費の低減を図る。併せて、装備を快適性・性能・耐久性面で強化した「GREEN EYE」パッケージをJAGUAR 900および800に展開。さらに乾物率や栄養成分を測定するNIRセンサー「NUTRIMETER」の提供範囲拡大、新型ROVIO用アダプター、レンクアクス用新型タイヤ空気圧制御システムなども投入する。
■刃の摩耗をリアルタイム検知し必要時のみ研磨
新搭載の「CEMOS AUTO KNIFE CONDITION」は、刃の形状を静的磁場を用いて全幅検知する二つのリラクタンスセンサーを備え、摩耗度に応じた研磨タイミングをCEBISキャビン端末上で提示する。これにより定期的な研磨ではなく、収穫条件に応じた最適なタイミングで実施可能となり、摩耗が早い条件では早めに、摩耗が少ない条件では遅く研磨し、切断品質・飼料品質を持続。また、摩耗データをCLAAS connectに記録し、請負業者が維持コストを顧客に示すなど、収穫前工程の改善にも活用できる。
■GREEN EYEパッケージで快適装備と耐久性向上
2026年モデルでは、JAGUAR 900・800向けに「GREEN EYE」パッケージを設定。両シリーズ共通でキャビンフル装備と、耐久性向上部品「PREMIUM LINE」による5年・3,000時間保証付きの給材流路を装備。900向けには、最大切断長可変の「V-FLEX」メザードラム、可変式油圧駆動ヘッダ、オプションで二段変速のヘッダ駆動も選択可能。外観上は側面カバーとキャビン扉に専用ステッカーが付与される。
■NUTRIMETERの適用拡大
高精度乾物率測定と切断長自動調整が可能なNIRセンサー「NUTRIMETER」が、JAGUAR 900、900 TERRA TRAC、800にも対応。乾物率のほか、澱粉、粗タンパク、粗繊維、糖分などを測定し、CLAAS connectにデータ保存・分析。2026年からはCEMIS 1200端末上でライブ収量マッピングが可能となる。
■CLAAS connectの機能パッケージ化
機械データ解析・作業指示共有を行う「Machine connect」ライセンスを含む基本パッケージに加え、上位の「Professional」パッケージでは自動操舵と精密農業用端末を追加。最上位ではNUTRIMETERや乾物率連動切断長制御も含まれる。併せてスマートフォン撮影による破砕粒度(CSPS)評価機能も提供され、収穫現場での即時調整が可能。
ROVIO用アダプター
JAGUAR 900等向けにROVIOとうもろこし収穫機用アダプターを新開発。浮動支持式の幅広搬送ローラーで均一供給を実現し、80-HDチェーンによる高耐久駆動を採用。AUTO CONTOURによる地面追従も可能。
■新型レンクアクス用タイヤ空気圧制御
2026年モデルのJAGUAR 900・900 TERRA TRACには、3ライン方式による迅速充填を可能とする新型空気圧制御システムを搭載。CEBISで事前設定した圧力値に従い、路上・圃場間の自動切替を行う。
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