NEC・ダイコー、機械式駐車場の無人化で協業

・AI・画像認識で安全性向上、27年度のサービス開始目指す

日本電気(NEC)とダイコー(東京都港区)は10月6日、機械式駐車場における安全性向上と人手不足解消を目的とした無人化ソリューションの開発で協業を開始した。6月から取り組みを進めており、12月には開発中のシステムの実証デモンストレーションを実施する予定。

両社の協業は、システムインテグレーターと駐車場設備メーカーという異なる強みを融合させた取り組みとなる。NECはシステム全体の企画・実証を担当し、長年培ってきた画像認識技術とAI技術、システムインテグレーションの知見を投入。ソリューション全体の設計からソフトウェア開発までを一貫して手がける。

一方、国内有数の昇降機・立体駐車場メーカーであるダイコーは、機械式駐車場のハードウェア連携と業界ノウハウを提供。機器の制御技術や安全規格、これまでの事故事例やヒヤリハットに基づく安全ノウハウを活用し、NECが開発するシステムと機械式駐車場を安全かつスムーズに連携させるための技術協力を行う。

■業界課題に対応、安全事故の抑止へ

オフィスビルやホテル、商業施設などに併設される機械式駐車施設では、オペレーターが利用者の駐車を支援し、安全な運営を支えてきた。しかし、安全面での事故は依然として発生しており、さらなる対策が急務となっている。加えて、深刻化する人手不足も業界全体の課題。

NECはこれまで機械式駐車施設の無人化実現に向けた取り組みを進めてきたが、「安全・安心」の強化という方針にダイコーが共感し、両社協力での推進が決まった。

■12月に先行デモ、港区の実機で実証

開発中の技術を広く紹介するため、両社は12月に先行デモンストレーションを実施する。会場は港区のオフィスビルに併設された機械式駐車施設を予定しており、実際の駐車施設を使用して「降車確認ソリューション」と「装置内の侵入検知ソリューション」を体験できる。

デモンストレーションの詳細や申し込みについては、NECの担当窓口で受け付ける。

両社は今後もさまざまな検証・検討を重ね、2027年度のサービス提供開始を目標に開発を加速させる方針だ。画像認識とAIを活用した駐車場の無人化・安全化が実現すれば、業界全体の生産性向上と安全水準の引き上げに大きく貢献すると期待される。

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