住友重機械、米レオ社と立位型陽子線治療システムで技術協力設置スペース・コスト大幅削減、患者の快適性も向上

住友重機械工業は10月6日、米国の革新的ながん治療ソリューション企業であるレオ・キャンサー・ケア社(Leo Cancer Care)と、立位型陽子線治療システムに関する技術協力を9月に締結したと発表した。住友重機械の回転ガントリーを利用した陽子線治療システムと超電導サイクロトロンを、レオ社が開発した立位型位置決めシステムに組み合わせた新システムの実現を目指す。

従来の陽子線治療では患者は寝台に横たわった状態で治療を受けるが、今回開発を目指す立位型システムでは、立位または座位での治療が可能となる。これにより、従来システムと比較して設置スペースや導入コストを大幅に低減できるほか、立位姿勢による患者の快適性向上、患者位置決め精度の向上、さらに陽子線アーク照射の導入も期待される。

レオ社のスティーブン・トウCEOは「私たちの立位型ソリューションと住友重機械工業の小型サイクロトロンを組み合わせることで、多くの方々が恩恵を受けられる陽子線治療の実現に向け、大きな一歩を踏み出す」とコメント。

住友重機械の日朝俊一産業機器事業部長は「直立姿勢での陽子線治療を可能とするオプションが実現すれば、陽子線治療はより身近で患者に優しい治療法になる」と述べ、医療用加速器を通じたがん治療の質と量の向上に意欲を示した。

回転ガントリーは患者の周囲を回転する大型機構で、様々な方向から陽子線を照射可能にする装置。陽子線アーク照射は、ガントリーまたは寝台を連続回転させながら照射する方法で、従来の複数門照射より腫瘍への線量集中が期待されている。​​​​​​​​​​​​​​​​

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