・自動車のEV化や中国経済の停滞に対応し、事業構造改革を推進
不二越は10月6日、2025年11月期第3四半期(2024年12月1日~2025年8月31日)において、構造改革に伴う特別損失12億72百万円および投資有価証券売却益による特別利益19億33百万円を計上したと発表した。
今回の特別損失は、事業環境の変化に対応した構造改革の一環であり、自動車の電動化進展や中国経済の減速などを背景に、収益構造の見直しと生産体制の効率化を進めるもの。海外の生産拠点再編に伴う工場移転・生産集約により、固定資産の減損損失および棚卸資産の評価損として6億9百万円を計上。また、人員の最適化を目的とした特別退職金など4億37百万円も含まれる。
同社では、今後発生が見込まれる追加の構造改革費用については精査中であり、業績への影響が明確になり次第、改めて開示するとしている。
一方、特別利益としては、政策保有株式の一部売却により19億33百万円の投資有価証券売却益を計上。資本効率の向上を図り、得られた資金を成長分野への投資に活用する方針だ。
不二越は、工作機械、ロボット、自動車部品、油圧機器など多角的に事業を展開しており、足元ではグローバル市場の需要変化に合わせた事業ポートフォリオ再構築を進めている。今後も、競争力強化と収益基盤の安定化に向けて、構造改革を段階的に実行していく考えだ。