安川電機10月3日、2026年2月期第2四半期(中間期)の連結決算を発表した。売上収益は前年同期比0.5%減の2,601億9,500万円とほぼ横ばいだったが、営業利益は同1.8%増の233億3,400万円、親会社株主に帰属する中間利益は同2.2%増の188億2,700万円と増益を確保した。1株当たり中間利益(EPS)は70円36銭(前年同期は68円29銭)となった。
■付加価値改善と間接費抑制で増益を実現
当中間期の経営環境は、地政学的リスクや米国の関税政策により不透明感が継続したものの、AI関連を中心とした半導体市場への投資集中や、中国・韓国の自動車市場における堅調な設備投資需要に支えられた。
売上面では、前年同期の受注残正常化の反動があったものの、新規受注を確実に売上につなげたことで想定を上回る着地となった。利益面では、モーションコントロールセグメントにおける付加価値改善や間接費抑制が奏功し、増益を実現した。
地域別では、日本で電子部品市場の中国向け需要が顕在化し、鉄鋼プラント関連も好調に推移。中国では自動車市場の設備投資需要が継続した。一方、米州では半導体や自動車市場に加え、原油価格下落の影響でオイル・ガス関連が軟調となった。
■セグメント別業績
・ロボットが牽引、モーションは減収も増益
モーションコントロールは、売上収益が前年同期比5.5%減の1,128億3,700万円となったが、営業利益は同9.2%増の120億2,400万円と大幅増益を達成。日本と欧州での需要回復を売上に反映させ、付加価値改善と間接費抑制を進めた成果が表れた。
ロボットは、売上収益が同6.4%増の1,192億400万円と好調。中国・アジアでの堅調な需要に支えられた。ただし営業利益は、一時的な売上案件のミックスの影響で同0.5%減の105億4,200万円とわずかに減少した。
システムエンジニアリングは、売上収益が同0.5%増の186億9,000万円、営業利益が同3.7%増の19億3,900万円。鉄鋼プラント関連の販売拡大が寄与した。
その他は、売上収益が同17.4%減の94億6,200万円となったが、営業利益は同12.5%増の9億3,500万円と改善した。
■通期予想を上方修正、売上5,250億円・営業利益480億円へ
同社は通期の連結業績予想を上方修正した。売上収益を前回予想比100億円増の5,250億円(前期比2.4%減)、営業利益を同50億円増の480億円(同4.3%減)、親会社株主に帰属する当期利益を同40億円増の370億円(同35.1%減)とした。1株当たり当期利益は142円66銭を見込む。
修正の理由について同社は、米国関税政策の影響など不透明な状況は継続しているものの、上期の実績や足元の需要環境を考慮したと説明している。想定為替レートは1ドル=145円、1ユーロ=160円で変更はない。
年間配当金は前回予想通り68円(中間34円、期末34円)を維持する方針だ。
同社は6日に証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開催する予定。
・ヒト型ロボ新興の東京ロボティクスを買収は、説明資料に記載されています。
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