・モジュール型IPCとオープンOSを統合、IoTゲートウェイやエッジ制御を短期間で実現
ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth):2025年10月2日
ボッシュ・レックスロスとアドバンテック(Advantech)は、産業分野向けのエッジソリューションにおいて協業を開始した。両社は、アドバンテックの産業用PC「UNOシリーズ」に、レックスロスのオープンかつアプリベースのOS「ctrlX OS」を搭載し、IoTゲートウェイやエッジ制御に最適なターンキー型プラットフォームを提供する。
従来のIoTゲートウェイはデータ転送が主用途だったが、現在は高いセキュリティ性や柔軟性、短期間での導入が求められている。しかし、既存システムは拡張性や統合の面で課題があった。今回の協業により、レックスロスのエコシステムとアドバンテックのモジュール型ハードウェアを組み合わせることで、迅速かつ安全なエッジ環境の構築が可能となる。
■UNOシリーズに「ctrlX OS」搭載
第1弾として、アドバンテックのUNOシリーズIPCが、Linuxベースの「ctrlX OS」および「ctrlX OSストア」のアプリ群を工場出荷時から標準搭載する。ファイアウォールやNode-RED、InfluxDB、IoTダッシュボードといったアプリがプリインストールされ、ユーザーは必要なアプリやハードを追加するだけでIoTゲートウェイを簡単に構築できる。
アドバンテックのハードは、メモリやストレージのスケーリングが容易で、ctrlX OSはソフトウェア面で同様のモジュール化を実現。これにより、単純なIoTゲートウェイからAIを活用した高度なエッジ制御まで幅広い用途に対応できる。
■カスタマイズと拡張性
ユーザーは「ctrlX OSストア」から産業向けアプリを追加できるほか、独自開発のアプリを導入することも可能。データベース接続やIIoTプロトコル対応、可視化機能などを加えることで、標準システムを迅速にカスタマイズできる。
ボッシュ・レックスロスの自動化・電動化ソリューション事業部門 シニアVPであるシュテッフェン・ウィンクラー氏は「アドバンテックとの提携は産業デジタル化における共創の好例であり、ctrlX OSは世界的IPCメーカーの製品世界にソフトウェアイノベーションを直接もたらす」とコメント。アドバンテックのIoTオートメーション担当AVP、ジャシュ・バンシダール氏も「複雑化とライフサイクル短縮が進む産業環境において、柔軟で拡張性のあるプラットフォームは不可欠」と述べた。
■セキュリティとグローバル展開
ctrlX OSは「セキュア・バイ・デザイン」の思想で開発され、欧州のサイバーレジリエンス法(CRA)の要件に対応。TÜV RheinlandによりIEC 62443-4-2 セキュリティレベル2認証を取得している。両社はグローバルな販売網と開発コミュニティを活用し、世界市場におけるプラットフォームの提供と発展を推進する方針。
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