・LINE連携・音声操作を業界初搭載、2030年の自動運転化へ布石
日工は10月2日、アスファルトプラント向け新型操作盤「AUTOPYRO(オートパイロ)」の販売を1日から開始したと発表した。人材不足や脱炭素化が喫緊の課題となるアスファルト舗装業界のニーズに対応し、業界初となるLINE連携機能や音声アシスタント機能を搭載したDX対応製品として注目される。
■業界初のLINE連携・音声操作を実装
AUTOPYROの最大の特徴は、操作アシスト機能の大幅な拡充にある。業界で初めて音声アシスタントによる操作を可能にしたほか、プラント異常時にはLINEで通知を受け取れる機能を標準装備した。これにより、オペレーターの負担軽減とプラントの安定稼働を同時に実現する。
また、従来機で課題とされていた画面表示についても改良を加えた。色覚多様性に配慮し、画面の配置や配色を柔軟にカスタマイズできる仕様とすることで、より直感的で使いやすい操作環境を提供する。
■省エネと品質向上を両立
省エネルギー面では、電力使用状況の可視化モニタリング機能と過剰使用を防ぐアラート機能を新たに搭載した。さらに、バーナ装置の制御システムを改良することで、初期加熱時間の短縮と燃料使用量の削減を実現している。実証実験では良好な自動制御に成功しており、オペレーターの作業負荷軽減にも寄与する結果が得られた。
品質管理面では、従来は製造完了後に別システムで行っていた実績記録と品質判定機能を操作盤に統合した。これにより、材料を混合する前の段階で品質判定が可能となり、不合格品の出荷を未然に防止。材料ロスの削減と品質向上を同時に達成する。
■2030年の完全自動運転を目指す
日工は国内アスファルトプラント市場で約80%のシェアを占める業界最大手。同社は2030年にプラント自動運転機能を搭載した操作盤の開発を目標に掲げており、今回のAUTOPYROはその第一歩と位置づけられる。
同社では「プラント全体の運用管理・保全を担うパートナー」への進化を掲げ、AUTOPYROを中心としたアスファルト合材工場のDXをさらに推進する方針。品質管理に不可欠なトレーサビリティの確立や省人化・効率化を、総合的なサポートで実現していく構えだ。
プラントメーカーとして装置と操作盤を一体的に開発できる強みを活かし、人材不足と脱炭素化という業界の二大課題の解決に向けた取り組みを加速させる。
■日工株式会社概要
- 本社: 兵庫県明石市大久保町江井島1013番地の1
- 代表取締役社長: 中山知巳
- 創業: 1919年8月
- 事業内容: アスファルト・コンクリート事業、環境関連事業、モバイル関連事業
- 国内アスファルトプラントシェア: 約80%
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