技研製作所、ハット形鋼矢板900㎜幅の硬質地盤圧入、国交省積算基準に掲載

・技術力が評価、公共工事採用加速へ

 技研製作所は7月17日、同社が製造・販売する油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー™ F301」で施工可能なハット形鋼矢板900㎜幅(型式:10H、25H型)の硬質地盤への圧入工法が、令和7年度版の国土交通省「土木工事積算基準」に新たに掲載されたと発表した。公共工事での採用を大きく後押しするもので、今後の普及加速が見込まれる。

 積算基準は、国や自治体などが公共工事を発注する際の予定価格を算出するための重要な根拠であり、受注者側の見積作成の指針にもなる。これまで同基準では、U形鋼矢板(幅400~600㎜)の圧入工法は掲載されていたが、ハット形鋼矢板900㎜幅のうち、硬質地盤に適用可能な「オーガ併用圧入工法」は未掲載だった。このため現場では、全国圧入協会が発行する標準積算資料をもとに単価が設定されていた。

 今回の掲載は、同社の長年にわたる施工実績と技術力が公的に認められたことを意味する。これにより、公共事業の発注者側による採用が進み、ゼネコンや施工業者への普及が一層加速するとみられる。技研製作所は、国内市場での事業拡大とともに、持続可能なインフラ整備への貢献を強化していく方針。

 掲載対象となったのは、最大N値が50超〜180以下の硬質地盤における「オーガ併用圧入工法」。使用される「サイレントパイラー™ F301」は、900㎜幅のハット形鋼矢板に対応し、単独圧入、ウォータージェット併用、オーガ併用の3方式に対応する。施工負荷の最適制御や無段階トルク制御機能を備え、耐久性と操作性の向上を両立。全国的な防災・減災ニーズの高まりを背景に、需要の高い機種となっている。

 技研グループは、無振動・無騒音、省スペース施工が可能な「サイレントパイラー™」を中心に、世界40以上の国と地域で圧入ソリューションを展開。今回の基準掲載は、国内インフラ整備における同社の存在感を一段と高める契機となりそうだ。

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