川崎重工、医薬・医療向け新型ロボット「MC006V」を発売

・最大6kg可搬で生産性向上に貢献 GMPグレードA/B準拠のクリーン性能も強化

 川崎重工業は7月1日、医薬・医療分野に特化した新型6軸ロボット「MC006V」の販売を開始した。医薬品製造の高度なクリーン環境に対応しつつ、従来機種を上回る可搬質量・動作速度・リーチを実現。生産現場の自動化・無人化を加速するモデルとして、製薬業界の注目を集めそうだ。

 同社は2013年から医薬・医療向けロボット「MCシリーズ」を展開しており、バイアル充填、滅菌供給、包装工程など多様な製薬プロセスへの導入実績を持つ。今回発売された「MC006V」は、同シリーズの最新機として、より広範な用途に応える性能を備えた。

 最大の特長は、シリーズ最大の6kg可搬を可能とした点。第1軸の動作速度は従来比約2倍、最大リーチも610mmと拡張され、スピードと柔軟性の両立を図った。さらに、過酸化水素ガス(VHP)による除染に繰り返し耐える素材を採用。クリーンルーム内での洗浄性を高める滑らかなボディ形状や、IP67相当の防塵防水性能も備える。

 また、ケーブルをロボットアーム内部に収める設計により、医薬品製造設備で使われるアイソレータなど狭小空間にも設置しやすくなっている。これにより、清浄度基準GMPグレードA・B、ならびにISO 14644-1クラス5相当の環境下での使用も想定されている。

 川崎重工は今後も、製薬をはじめとする高クリーン環境向けの自動化ニーズに応える製品開発を強化していくとしている。

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