日本製鋼所、インドの樹脂機械製品アフターサービス拠点が稼働開始

 日本製鋼所は4月25日、プラスチック産業の成長著しいインド市場において、樹脂機械のアフターサービスの充実に向けたパートナーシップ契約を現地企業UTT社との間で締結し、これに基づき、UTT社がサービス拠点を設立し稼働を開始したと発表した。

 これにより、インド市場における樹脂機械製品のアフターサービスのさらなる充実により顧客満足と信頼を高め、同市場でトップシェアを有する造粒機の一層の拡販につなげていく。

■期待される効果
 インドでは、政府によるmake in India政策の強力な推進と、人口増加・経済成長を背景に、プラスチックの生産量が今後5年で倍増すると見込まれている。このような中、プラスチック量産用大型造粒機において世界トップシェアを有する日本製鋼所は、インド市場へも1980年代より造粒機の納入実績を積み上げており、現在も同国にて22台が稼働するなど、トップシェアを有している。

 今回のアフターサービス拠点設置により、従来、都度修理のため、広島製作所に海上輸送で往復させていたダイプレートの研磨が現地で対応できることになるため往復輸送期間の3ヶ月が不要となる。造粒機のアフターサービスも広島製作所での一元対応から、世界の各地域で地産地消的にできるメンテ作業は各地域で対応することで、負荷の分散化、ひいてはサービスの迅速化を実現する。また、緊急時の迅速なエンジニア派遣を可能とする体制を整えることにより、樹脂機械への顧客の満足度と信頼を一層高める効果が期待される。

 これにより、アフターサービス事業の充実のみならず今後見込まれる新設需要の取り込みをより確実なものとし、同国における当社樹脂機械製品のプレゼンスを向上させていく。

 また、日本製鋼所は2024年度を初年度とする中期経営計画 JGP2028期間中に、同国では初となる各種産業機械の展示施設(エクスペリエンスセンター)の設置を検討している。同施設を通じ製品への市場の理解と関心を深め、また、顧客の課題を日本製鋼所の最新技術により解決することで、同国プラスチック産業の成長に貢献していく。

■UTT社について
 UTT India(創業:2020年)は石化業界に精通する関係者により設立され、広く世界に石化プラント向けメンテナンスサービスを提供するUTT Gulf(バーレーン)のインド子会社であり、日本製鋼所製造粒機の新規据付、定期修理時の技術指導において、豊富な知識と経験を有している。
(URL:https://uttindia.com)

<アフターサービス拠点の概要>
当事者:インドUTT社及び株式会社日本製鋼所
内容:UTT社による日本製鋼所製樹脂機械部品のアフターサービス拠点の設置
設置日:2024年12月19日
場所:ハリヤナ州カークホーダ(デリーより車で約1~2時間)
面積:約750㎡
設備:表面研磨機、旋盤、ピラーボール盤、ラジアルボール盤
サービス:インド国内顧客に納入済の日本製鋼所製造粒機部品(ダイプレート(※1))のメンテナンス、消耗部品等の在庫による短納期納入対応、緊急時の迅速なSV派遣

※1:ダイプレートとは金型(die)を意味する。主に押出成形で溶融樹脂を押し出す口金を「ダイ」、「ダイス」または「ダイプレート」と呼ぶ。ダイプレートは商品として産出される樹脂ペレットの最終形状を形作る上で重要な役割を果たしており、きちんとメンテされていないダイプレートを使用するとサイズの不揃いによる成形ムラを嫌気しての商品価値の低下を招いたり、予定外の生産停止による、生産ロス、機会損失を引き起こすことになる。

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