カナデビア(旧・日立造船)は4月1日、2025 年度入社式を行い、桑原 道社長兼 CEOが新入社員向けに訓示を行った。要旨は下記のとおり。
皆さん、本日は、入社、誠におめでとうございます。
今年度は、93名の事技職、工場勤務の20名の技能職、全体で113名の新入職員を迎えることができました。
皆さんを、私たちの新しい仲間として、また「カナデビア株式会社」としての最初の新入職員として迎えられることを心から嬉しく思います。
現在の社会状況は、VUCA(Volatile:変動が激しい、Uncertain:不確実、Complex:複雑、Ambiguous:あいまいな)という言葉でよく言い表されます。パンデミック、戦争、自然
災害、リモート勤務など働き方の変化、AIの発展などから実感できるのではないかと思います。米国トランプ政権の動きによってさらに世界情勢はいっそう不確実性を増している感があります。このように激しい変化の中に私たちは生きているのです。
歴史学者であるユヴァル・ノア・ハラリは「21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考」と
いう著作の中で、次のように記述しています。
未知との遭遇が常識となる時代には、自分の過去の経験ばかりか全人類の過去の経験も、手引きとしては以前ほど頼りにできない。(中略)深遠な不確実性というものが欠陥ではなく特徴である世界で、どう生きればいいのか?
そのような世界で生き延び、栄えるには、精神的な柔軟性と情緒的なバランスがたっぷり必要だ。自分が最もよく知っているものの一部を捨て去ることを繰り返さざるをえず、未知のものにも平然と対応できなくてはならないだろう。ここにハラリ氏が示している解は、当社の行動規範「果敢に挑戦する」「真摯に対話する」「広く学び、深く考える」に通じるものがあると考えています。
「真摯に対話する」ことによって精神的な柔軟性や情緒的なバランスを育み、「広く学び、深く考える」ことによって、よく知っていることの一部を捨て去ることを繰り返す、また「果敢に挑戦する」は未知のものに平然と対応すること、に他ならないのではないかと思うからです。
皆さんの最大の武器は、前例踏襲バイアスにとらわれない柔軟な精神・思考であり、これからの世界、すなわち、過去の経験が頼りとならない社会では、みなさんこそが主役となる時代ではないかと思います。
イスラエルのあるスタートアップ経営者の話ですが、彼は人を採用する際に、成功回数の多い人ではなく、失敗回数の多い方を選ぶと言います。この変化の激しい社会においては、過去の成功体験はかえって足かせになる恐れもあります。それよりも、チャレンジした数、失敗した数こそが、柔軟性・発想を豊かにするともいえます。私は、この変化の激しい時代にあってもなお、カナデビアに必要なものは、創業者から引き継いでいるDNAである「挑戦の精神」であり、皆さんともぜひその精神を共有したいと考えています。
AIが君たちの仕事を奪うんじゃない。AIを活用する人が君たちの仕事を奪うんだ。NVIDIAジェンスン・ファンCEOの言葉だそうです。
AIは、この不確実性の高い経営環境下において、これからのビジネスのゲームチェンジャーとなると言われています。このような新しいツールやテクノロジーに積極的にチャレンジし、使いこなし、そして働き方を変え、さらに新たな価値を創造していく原動力となるのは、皆さんの若い世代だと考えています。
皆さんに対する期待感を述べてきましたが、決して期待過剰であるとは考えていません。不確実性の高い社会だからこそ発揮できる高いポテンシャルを秘めている人材だと考えています。皆さんの成長と大いなる活躍を心から期待しています。社会人としての初心、そしてご家族をはじめ、お世話になった方々への感謝の気持ちを忘れず、健康に留意し、仕事を楽しむ気持ちを持って、一緒にがんばっていきましょう。
*リリース内容から「ですます調」で表記しています。
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