川崎重工、淡路地域広域ごみ処理施設整備・運営事業を受注

 川崎重工業は2月21日、淡路広域行政事務組合(兵庫県)より「淡路地域広域ごみ処理施設整備・運営事業」を受注し、20日に契約を締結したと発表した。DBO方式〔Design(設計)、Build(建設)、Operate(運営)〕で発注され、設計・施工業務および、運営・維持管理業務(20年間)を行う。

 同事業では、淡路島内の新たなごみ処理施設として、エネルギー回収型廃棄物処理施設〔処理量153t/日(76.5t/24h×2炉)〕を既存施設の隣接地に建設する。今後、川崎重工は同組合が掲げる以下6つの基本コンセプトを、同事業を通じて実現していく。

【6つの基本コンセプト】
① 安全・安心かつ安定的にごみ処理が可能な施設
② 周辺環境に配慮し、循環型・低炭素社会に寄与する施設
③ 災害に強い施設
④ 地域に新たな価値を創出する施設
⑤ 地場産建材等を積極的に活用する施設
⑥ 経済性、効率性に優れた施設

 同施設は、川崎重工独自の並行流焼却炉に、改良型自動燃焼制御「Smart-ACC®※1」、AI運転支援システムを導入し、安定処理を実現するとともに、遠隔監視システム「KEEPER※2」により、継続的に運転支援を行う。さらに、排水の完全無放流を達成した上で、高温高圧ボイラと抽気復水式蒸気タービンを組み合わせた高効率発電を行い、一般家庭の年間使用料約3,400軒分に相当する余剰電力を売電し、積極的なエネルギーの利活用につとめる。

 同事業は、地域の理解を得ながら、将来にわたる安心で安定したごみの適正処理や周辺環境への配慮を最優先に進めていく。また、淡路瓦など地元県産材を積極的に採用し、地域の魅力の発信と自由に利用できるスペースをつくり地域住民をはじめ市民から親しまれる施設を目指す。

 なお、施設の設計・施工業務は、川崎重工、淡路土建社、光洋建設およびツダが行い、運営業務は、川崎重工、シンキおよび日本管財環境サービスが出資する特別目的会社(SPC)が行う。

 川崎重工は、ストーカ式焼却炉をはじめとした各種廃棄物処理技術を有しており、国内で半世紀以上にわたり多くの一般廃棄物処理施設を手掛けてきた。今後も循環型社会形成の推進と脱炭素社会の実現に向けて、積極的な技術開発と販売活動に取り組んでいく。

※1 Smart-ACC®:ごみ焼却施設を従来に比べてより高効率で安定した発電施設として機能させるための川崎重工独自の高度燃焼制御技術。
※2 KEEPER:ごみ焼却施設から離れたサポートセンターにおいて、ベテラン技術者による運転状況の監視および支援を行う川崎重工グループ独自開発の遠隔監視システム。

<事業の概要>
事業名:淡路地域広域ごみ処理施設整備・運営事業
発注者:淡路広域行政事務組合
受注者:(代表企業)川崎重工業株式会社
(構成企業)淡路土建株式会社
光洋建設株式会社、株式会社ツダ
(SPC出資企業) 株式会社シンキ、株式会社日本管財環境サービス
契約金額:296億1,200万円(消費税込み)
建設場所:兵庫県南あわじ市広田広田地内
設備概要:エネルギー回収型廃棄物処理施設
ストーカ式焼却炉 153t/日(76.5t/24h × 2炉)
工事期間:2025年2月~2029年3月
運営期間:2029年4月~2049年3月(20年間)

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