井関農機が2月14日に発表した2024年12月期(1~12月)連結業績によると、売上高は168,425百万円(以下、前期比0.9%減)となった。営業利益は、1,920百万円(14.8%減)となった。国内外価格改定効果などにより売上総利益は増加したが、為替換算影響もあり販管費が増加した。経常利益は、1,577百万円(24.6%減)となった。主に為替差益の減少と持分法による投資損失の拡大によるもの。税金等調整前当期純損失は1,531百万円(前期は税金等調整前当期純利益1,900百万円)となった。主にプロジェクトZの構造改革に伴う減損損失及び事業構造改革費用の計上によるもの。親会社株主に帰属する当期純損失は3,022百万円(前期は純利益29百万円)となった。
売上高のうち国内売上高は113,031百万円(0.0%減)。農機製品は、第1四半期は需要低迷を受け減少となったが、年央以降の米価上昇による需要回復を捉え一部カバーし、通期では微減となった。一方、収支構造改革の柱である補修用部品や修理整備等のメンテナンス収入は伸長し、国内売上高全体では前年並みとなった。
海外売上高は、55,394百万円(2.6%減)。北米はコンパクトトラクタ市場が弱含みに推移、アジアは韓国での在庫調整実施とアセアンで需要軟調となった。一方、欧州は景観整備向け製品と仕入商品の売上が堅調に推移した。
2024年12月期における我が国経済は、各種政策の効果もあり景気は緩やかに回復した。一方で、物価上昇や中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動など、先行き不透明な状況が続いた。このような状況の中、同社グループは、国内では変化する農業構造への対応強化、海外では主力
市場である北米、欧州、アジアの需要を精緻に捉え、収益性向上と事業拡大に努めた。
■商品別の売上状況
〔国内〕
整地用機械(トラクタ、耕うん機など)は21,264百万円(3.7%減)、栽培用機械(田植機、野菜移植機)は6,574百万円(9.1%減)、収穫調製用機械(コンバインなど)は16,346百万円(3.8%増)、作業機・補修用部品・修理収入は44,275百万円(4.2%増)、その他農業関連(施設工事など)は24,570百万円(3.6%減)となった。
〔海外〕
整地用機械(トラクタ、芝刈機など)は36,030百万円(8.6%減)、栽培用機械(田植機など)は1,019百万円(44.2%減)、収穫調製用機械(コンバインなど)は587百万円(56.7%減)、作業機・補修用部品・修理収入は6,927百万円(8.3%増)、その他農業関連は10,828百万円(37.6%増)となった。
■今後の見通し
2025年12月期の売上高は170,500百万円(前期比1.2%増)を見込む。国内市場では、構造的な需要の減少傾向が継続する中、成長分野である「大型」「先端」「環境」「畑作」への経営資源の集中や販売強化を図り増加を見込む。海外市場では、北米はコンパクトトラクタ市場の底打ちを見込み増加、欧州は前期にあった仕入商品の特需が剥落するも高水準を維持、アジアはタイ周辺国への展開と韓国での在庫調整後の出荷促進を見込み増加し、海外全体では売上高の伸長を見込んでいる。
営業利益はプロジェクトZ施策の効果発現などにより、2,600百万円(35.4%増)、経常利益は1,800百万円(14.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,300百万円(前期は△3,022百万円)を見込んでいる。
業績見通しにおける想定為替レートは、1米ドル=150円、1ユーロ=157円としている。
コメントを投稿するにはログインしてください。