・HC事業は15.4%減の860億円、24年度予想は15.4%減の1,137億円に下方修正
カヤバ(KYB)が2月12日に発表した2024年3月期第3四半期(2024年4〜12月)連結業績によると、売上高は前年同期比1.8%減の3,228億2.800万円となった。自動車国内生産台数の減少や、中国市場を中心とした建設機械需要の減少等が影響した。営業利益は同0.6%減の152億9,100万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は同16.2%減の91億8,400万円となった。
第3四半期連結累計期間における世界経済は、欧米でのインフレ圧力の緩和を受けた実質賃金の上昇で消費は下支えされるものの、中国での不動産市場の不振や消費低迷、トランプ米大統領の政策による米国でのインフレ再燃懸念による金利の高止まり見通しもあり、先行きの不透明感は続いている。また我が国経済は、概ね堅調な設備投資や賃金の伸びの拡大により、景気は緩やかな回復傾向にあるものの、労働需給のひっ迫や、米国の通商政策による影響が懸念される。
■セグメント別の業績
<AC事業>(オートモーティブコンポーネンツ)>
同セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成。四輪車用油圧緩衝器は、国内自動車生産台数が減少したものの、欧米でのOEM製品の販売や東欧・中東市販市場での需要増加、円安による為替影響等により、売上高は1,665億円と前年同期比5.9%の増収となった。二輪車用油圧緩衝器は、国内や欧州での販売減少があったものの、インド市場での需要増加により、売上高は324億円と前年同期比 4.9%の増収となった。
以上の結果、同セグメントの売上高は2,256億円と前年同期比 4.3%の増収となり、セグメント利益は119億円と前年同期比 28億円の増益となった。
<HC事業 >(ハイドロリックコンポーネンツ) 同セグメントは、産業用油圧機器、システム製品、その他製品から構成。建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、建設機械の中国市場での大幅な需要減少の継続に加え、欧米での需要低迷により、売上高は801億円と前年同期比 15.4%の減収となった。
同セグメントの売上高は860億円と前年同期比 15.1%の減収となり、セグメント利益は8億円と前年同期比 32億円の減益となった。
<航空機器事業 >
同セグメントは、航空機器用油圧機器から構成。同セグメントは、生産調整による出荷減少等により、売上高は22億円と前年同期比 28.2%の減収となったが、販売製品の構成が変動したことによりセグメント損失は6億円(前年同期はセグメント損失14億円)となった。
<特装車両事業及びその他>
同セグメントは、特装車両等から構成。コンクリートミキサ車を主とする特装車両において、南アジアでの需要増加により、同セグメントの売上高は89億円と前年同期比 12.8%の増収となり、セグメント利益は10億円と前年同期比4億円の増益となった。
■今後の見通し
2024年度通期の業績予想については、2024年5月10日公表の業績予想(下記)から変更はない。
売上高4,480億円(以下、前期比1.2%増)、セグメント利益215億円(2.6%増)、営業利益225億円(0.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益135億円(14.7%減)。
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