アマダ、24年4〜12月期売上収益は3.6%減の2,748億円、24年度予想4,050億円(0.4%増)は変えず

 アマダが2月14日に発表した2025年3月期第3四半期(2024年4〜12月)連結業績によると、売上収益は、274,831百万円(以下、前年同期比3.6%減)となった。国内では、内需を中心に緩やかな景気回復がみられるものの、中小企業では市場動向を見極めるため投資を控える動きがみられ、100,668百万円(1.5%減)となった。海外では、欧州や中国の景気低迷に加え、米新政権の動向による不透明感を背景に設備投資が抑制され、174,162百万円(4.8%減)となった。
 営業利益は、為替影響や販売価格改善による効果はあるものの、減収影響のほか、生産調整に伴う操業度の低下や人件費の増加などにより、31,332百万円(22.2%減)となり、親会社の所有者に帰属する四半期利益は20,365百万円(27.3%減)となった。

 アマダグループは2030年に目指す姿として「長期ビジョン2030」を掲げ、2023年5月に2025年度までの3カ年計画
「中期経営計画2025」を策定し、公表した。この中期経営計画では①売上収益4,000億円の必達と収益性の改善、②長期成長戦略への活動開始、③資本政策(株主還元)の実施、④ESG経営・体制強化の4つの基本戦略方針により、継続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいるが、グループを取り巻く環境は、地政学リスクやインフレの継続等、依然として先行きが不透明な状況が続いている。

■事業別・地域別の概況

①金属加工機械事業
 売上収益は227,211百万円(前年同期比3.7%減)、営業利益は24,929百万円(前年同期比26.4%減)となった。

<板金部門の地域別>
日本:遅延していた受注残の消化が進んだことから前年同期比の減収幅は縮小した。業種別では、OA・コンピュータ機器や半導体製造装置関連の設備投資が堅調に推移したが、工作機械や業務用空調機器関連が軟調でした。
 その結果、売上収益は70,669百万円(前年同期比1.1%減)となった。

北米:カナダは引き続き堅調に推移しているが、米国では次期政権の経済政策に対する先行き不透明感から一時的に停滞していた機械受注が回復したものの、電力供給や電気技師の不足を背景とした顧客工場の工事遅延により、機械の据え付けが遅れた影響で受注残の消化が遅延している。
 その結果、売上収益は60,931百万円(前年同期比5.1%減)となった。

欧州:ドイツやイタリアでは、建設関連や自動車関連を中心に需要が低迷し、ドイツ経済の影響を受ける東欧地域も軟調に推移した。
一方、英国やフランスでは、これまでに積み上がった受注残を売上に転化したことで、前年同期比で売上が増加した。その結果、売上収益は50,003百万円(前年同期比0.7%増)となった。
アジア他:インドでは引き続きインフラ関連が堅調であり、マレーシアでは半導体や建設関連の設備投資が好調だった。
 一方、中国では内需の低迷が続き、韓国では景気低迷に加え、政治不安も重なったことで設備投
資意欲が低下するなど、全体的に厳しい状況が続いている。その結果、売上収益は22,963百万円(前年同期比12.2%減)となった。
<微細溶接部門>
 国内では、自動車関連の回復の遅れなど、景気の持ち直しは足踏み状態が続いている。特に、電装品、電子部品、自動車部品、電装用モータ関連の需要回復には、もう少し時間を要する見込み。海外では、米国での医療機器及び航空宇宙分野が安定して推移している。

②金属工作機械事業
 売上収益は46,670百万円(前年同期比3.4%減)、営業利益は4,644百万円(前年同期比18.0%減)となった。

<切削・研削盤部門>
 国内では、自動車関連の停滞に伴い、主要取引先である鋼材卸売業者の需要が低下したものの、豊富な受注残に支えられ、売上は堅調に推移した。一方、海外では、アジアにおいて前期にブレード値上げ前の駆け込み需要が発生した反動により、切削部門の売上は前年を下回った。

<プレス部門>
 国内では、自動車関連の停滞に伴い、中小企業を中心に設備投資に慎重な姿勢が続いている。海外では、中国において自動車関連及び通信機器関連が堅調に推移する一方、北米やASEANでは自動車関連の低迷の影響を受けている。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
 
 2025年3月期の連結業績見通しは、売上収益4,050億円(前期比0.4%増)、営業利益530億円(同6.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益360億円(同11.4%減)。

 予想の前提となる第3四半期以降の主要為替レートは、1USドル=145.00円、1ユーロ=155.00円を想定しており、通期の平均レートは、1USドル=148.81円、1ユーロ=160.47円。

 アマダ の2025年3月期第3四半期決算短信
 第3四半期決算説明資料