清水建設、腰をかがめず足元の鉄筋を結束できる「鉄筋結束アシスト装置」を開発

・スラブ鉄筋の結束作業の身体的負担を軽減

 清水建設は11月25日、建ロボテックと共同で、鉄筋工事の生産性向上、作業従事者の身体的負担の軽減を目的に、スラブ鉄筋の結束作業の省力化に寄与する鉄筋結束機用の延長ハンドル「鉄筋結束アシスト装置」を開発したと発表した。

 同装置は、既製の鉄筋結束機を先端に取り付けて使用する鉄筋結束作業の補助装置。特長は、足元の鉄筋を立った状態で結束できるため身体的負担の大きい腰の屈伸動作の繰り返しを回避できること、装置に付属する腰ベルト・肩ベルト・バネ機構により作業時に腕にかかる負担を抑制できること。

 鉄筋工事では、所定の場所に鉄筋を配置した後、鉄筋の交差部を結束線と呼ばれる針金で固定する作業を行う。この作業には、ハッカーと呼ばれる結束器具や手持ち式の自動結束機が利用されている。足元のスラブ鉄筋を結束するためには腰をかがめて作業を行う必要があり、従事者の身体的負担は少なくない。他方、作業負荷の軽減を図るため、自動でスラブの鉄筋を結束する自走式ロボットも開発されているが、作業場所に開口部や段差があると連続的に動作できず作業効率が低くなってしまうという課題がある。そこで清水建設は、既製の鉄筋結束機によるスラブ鉄筋結束の作業負荷を軽減し、生産性の向上を図るためのツールとして鉄筋結束アシスト装置を開発した。

 同装置は、先端に鉄筋結束機の着脱機構を備えた延長ハンドル、可動式のアームを介して延長ハンドルと連結する腰ベルト・肩ベルト・バネ機構を一体化した製品。鉄筋結束機の装着は、着脱機構のカバーを開き所定の場所に結束機をはめ込むだけで完了する。使用時には、結束箇所の直上からハンドルを下方に押し込むことで結束機のトリガーが引かれ、結束線が鉄筋の交差部に巻き付く。同装置を利用することで、腰を曲げずに楽な体勢で結束作業ができるとともに、腰と肩に装着したベルトにより装置の重量を身体全体で支えられるため、作業従事者の身体的負担を大幅に軽減できる。また、装置に組み込まれたバネの作用により、装置のハンドリング時に腕にかかる負荷も軽減されるため、単位時間当たりの作業量の増加が見込める。

 今後、清水建設の建設現場での活用を進めるとともに、広く建設技能労働者の働き方改革に寄与すべく、建ロボテックの協力の下、外販に向けた準備を進めていく。

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