コマツの子会社 KELK 、500mデータ送信可能な熱電発電センサーデバイスを10月より販売開始

コマツは7月23日、100%子会社である㈱KELK(神奈川県平塚市)が、工場などで生産設備のモニタリングに用いるセンサーデバイスに関し、電源・電池が不要なセンサーデバイスとして世界で初めて通信距離 半径約500mを達成した新製品「KSGD-SV10」と専用のソフトウェアである「KELGEN swift」を10月より販売開始すると発表した。同製品は、7月24日(水)より東京ビッグサイトで開催される「第50回 プラントメンテナンスショー」に出展する予定。

 「KSGD-SV10」は、熱電素子(※1)を用いた熱電発電により、設備機器に設置したデバイス自体の底面と空気に接する上面の温度差がわずか3℃から動作するため、電池交換や配電などの手間が不要。また、旧製品「KSGD-SV8」に比べ発電効率の向上と低消費電力化を実現したことで、熱電発電を用いたセンサーデバイスにおいて世界で初めて920MHz帯無線通信に対応した。これにより、通信距離が旧製品の50mから10倍の約500mへと伸長した。同製品を導入することで、障害物が多く、通信距離が必要な工場やプラント、社会インフラなどでも電池レス・無給電で設備機器の振動の状態を測定しデータを無線で送信できる。

 同時発売のソフトウェア「KELGEN swift」は、オンプレミスのパソコン上で「KSGD-SV10」のデータをすばやく分析して設備の状況をグラフやマップで表示したり、長期間のデータから設備の故障予兆を解析できる。

 KELKはこれまで、センサーデバイスをコマツの粟津工場や大阪工場の設備モニタリング向けに提供し、その有効性を実証してきた。今回発表したセンサーデバイスとソフトウェアの組み合わせにより、顧客のイニシャルコストを抑えつつ、設備の日常点検の削減や突発故障予防によるダウンタイムの削減に貢献する。

 日本における1次エネルギーの約6~7割が「未利用熱」として放出されているといわれている(※2)。KELKは、熱電発電を応用した商品により、「未利用熱」の活用を推進するとともに、設備の安定稼働・長寿命化による生産性向上にも寄与することで、顧客の現場全体における省エネルギー化とCO2排出量削減に貢献していく。

 詳細は、ニュースリリース