JX金属、次世代半導体向けCVD・ALD材料の本格生産に向け能力増強

 JX金属(東京都港区)は、需要が拡大する次世代半導体向けCVD・ALD材料の本格供給に向け、東邦チタニウム茅ヶ崎工場(神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎3-3-5)の敷地内およびJX金属日立事業所白銀地区(茨城県日立市白銀町一丁目1-2)への生産設備および開発設備投資を決定したと発表した。

 生成AIの進化により、データセンターやAI搭載IoTデバイスの市場が拡大が続いている。これらの機器に必要とされる高性能半導体には、高集積化を実現するためにさらなる微細化や多層化が求められ、これに伴いCVD・ALDによる薄膜形成のニーズが高まっている。

 JX金属は2024年2月に「CVD・ALD材料事業推進室」を新設し、同材料の早期事業化を目指してきた。これまで同組織のもとで、新規高純度CVD・ALD材料の量産ラインを構築し、顧客へのサンプル出荷を進め、良好な評価を獲得することができている。今回、同材料の本格採用により急速な需要拡大が見込まれることから、JX金属は同材料の生産能力の増強を決定した。

 茅ケ崎工場は24年度下期、日立事業所は25年度上期を目途に生産設備を導入し稼働を開始する計画。あわせて同事業の今後の展開に向け、新規プロセス開発や新規材料開発に向けた設備強化を行う。これにより、拡大する顧客需要に対応するとともに、高性能化が加速する半導体の進化を支えていく。

 JX金属は、今後も半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして、高機能・高性能な先端素材の開発・供給を通して、持続可能な社会の発展と革新に貢献していくとしている。

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