竹内製作所、24年2月期売上は18.8%増の約2,126億円、売上・利益とも過去最高

・次期予想は5.3%増の 2,240億円

 ㈱竹内製作所が4月12日に発表した2024年2月期(2023年3月〜24年2月、2023年度)の売上高は、過去最高の2,126億2千7百万円(前年度比18.8%増)となり、利益面においても、各段階利益はそれぞれ過去最高となった。原材料価格の高騰や2022年9月に稼働開始した 米国工場、及び2023年9月に稼働開始した青木工場の減価償却費や労務費等の減益要因はあったものの、売上高の増加、製品価格の値上げ、運搬費の減少、及び円安影響等により、営業利益は352億9千6百万円(同66.3%増)となり、経常利益は354億5千5百万円(同65.8%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用を93 億6百万円計上したため、261億4千9百万円(同63.6%増)となった。

 竹内製作所2024年2月期通期データ

 2023年度の世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や世界的なイ ンフレ、各国の政策金利の引き上げによる金融不安等の影響により、先行き不透明な状況が続いているものの、米国 では良好な雇用情勢と賃金上昇により、個人消費が堅調に推移した。欧州ではインフレ率が足元で低下してお り、実質所得の改善と個人消費の回復が期待されるなど、最悪期からの改善の兆候は見られるものの、景気動向は依 然として低調に推移した。
 このような環境のもと、竹内製作所グループの販売状況は欧米ともに好調に推移しており、主要製品であるミニショベ ル、油圧ショベル及びクローラーローダーの販売台数は、いずれも前連結会計年度を上回った。また、2023年3 月にはミニショベル「TB350R」及びホイール式油圧ショベル「TB395W」を、2023年10月にはミニショベル「TB320」を 市場投入た。これら新製品を加えた豊富な製品ラインナップで、市場シェアの拡大を図っている。

 竹内製作所グループは第三次中期経営計画(2023年2月期から2025年2月期)において、生産能力の増強に取り組んでいる。2022年9月からセミノックダウン方式によりクローラーローダーの生産を開始した米国サウスカロライナ州の工場に続き、2023年9月には長野県小県郡青木村の青木工場において、4トンから9トンのミドルクラスのシ ョベル生産を順次開始している。両工場ともに、中期経営計画での生産能力目標の達成は2024年8月末を見込んでおり、既存の本社工場と合わせた生産能力は概ね1.5倍となる見込み。

 2023年度の受注高は1,507億7千 7百万円(前年度比36.1%減)となり、年度末の受注残高は、前連結会計年度末に比べ618億5千 万円減少し、1,288億9千7百万円となった。受注高が前年度に比べて大きく減少しているが、これ は積み上がった受注残高の正常化に向けて、顧客と竹内製作所グループの双方で引き続き受発注が調整されていること、 及び米国の大手レンタル会社からの従来の受注タイミングが翌期にずれこんだため。

■セグメント別の経営成績

(日本)日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められている。欧州では、 住宅ローン金利の上昇とエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げているものの、生活インフラ工事や建設投資などの非住宅関連の建設工事が堅調で、製品販売は好調に推移した。欧州ディストリビュー ター向けの販売台数が増加したことに加えて、製品価格の値上げ及び円安影響等により、売上高は754億4百万円(前 年度比24.3%増)となった。
セグメント利益は、原材料価格の高騰等の減益要因はあったものの、販売 台数の増加、運搬費の減少、及び円安影響等により、307億2千4百万円(同132.6%増)となった。

(米国) 米国セグメントでは、住宅市場において住宅ローン金利と住宅価格の高止まり等により、住宅着工件数は調整局面が継続しているが、住宅に対する潜在需要は根強く、また、生活インフラ工事や建設投資などの非住宅関連の建設工事が旺盛で、製品販売は好調に推移した。販売台数が増加したことに加えて、製品価格の値上げ及び円安影響等により、売上高は1,151億8千3百万円(前年度比16.9%増)となり、セグメント利益は2022年9月に稼働開始した米国工場の減価償却費や労務費等の減益要因はあったものの、販売台数の増加及び円安影響等により、108億 7千万円(同9.8%増)となった。

(英国) 英国セグメントでは、住宅ローン金利の上昇とエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げ ており、3トン以下のショベル販売がディーラーでの在庫調整により軟化したため、販売台数は前年度に比べて減少したが、製品価格の値上げ及び円安影響等により、売上高は121億3千1百万円(前年度比 0.0%増)となり、セグメント利益は9億1千2百万円(同17.2%減)となった。
(フランス) フランスセグメントでは、住宅ローン金利の上昇とエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げているものの、生活インフラ工事や建設投資などの非住宅関連の建設工事が堅調で、製品販売は好調に推移した。この結果、販売台数が前年度に比べて増加したことに加えて、製品価格の値上げ及び円安影響等によ り、売上高は97億9千4百万円(前年度比30.2%増)となり、セグメント利益は9億7千2百万円(同 42.5%増)とな った。

(中国) 中国セグメントは、日本セグメントに向けた建設機械の部品の製造・販売が事業の大半であり、外部顧客への売上 高は1億1千3百万円(前年度比23.1%減)となり、セグメント利益は1億3千9百万円(同587.4%増)と なった。

■今後の見通し
 竹内製作所グループの主力市場は米国及び欧州であり、欧米各国における住宅関連工事、生活インフラ整備工事、官民の建設投資に同社製品は使用されている。衣食住の「住」に深く関わり、エッセンシャル事業に必要不可欠な同社製品の需要は、中長期的に安定拡大が見込めると考えている。
 米国においては、根強い住宅需要、老朽化が進む生活インフラ、政策的な建設投資の拡大などを背景に、製品販売は引き続き好調に推移すると予想している。新工場によって増強された生産能力を活用し、ミニショベル、 油圧ショベル、クローラーローダーともに販売台数は2023年度を上回り、売上の大幅増を見込んでいる。欧州においては、長引く物価高による個人消費や住宅需要の低迷に加えて、ウクライナ戦争の長期化、イスラエ ル・ガザ戦争やスエズ運河の通航制約などの地政学的緊張の高まり等により、先行き不透明感が増している。経済が低迷する欧州においても、老朽化が進む生活インフラの整備工事は不可欠であり、そこで主に使用される油圧シ ョベルは堅調に推移すると見込むものの、住宅関連工事で主に使用されるミニショベルは英国内のディーラー、欧州 ディストリビューターにおける在庫調整により販売が減少すると見込んでいる。

 以上により、2025年2月期(2024年度)の販売台数は2023年度に比べて1.0%の増加(米国で17.2%の増加、欧州で10.2% の減少)にとどまり、連結売上高は5.3%増加の2,240億円となる見通し。利益面については、営業利益は385 億円(同9.1%増)、経常利益は385億円(同8.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は275億円 (同5.2%増)となる見通し。これは主に、減益要因として買入部品の調達先における固定費増に伴う製造原価の増加、青木工場の稼働開始に伴う労務費や減価償却費等の固定費の増加、人的資本への投資としての人件費の増加、 及び海上運賃の増加を見込んだが、増益要因として売上高の増加、販売価格の値上げ、及び日本から米英仏の販売子会社への輸送・在庫期間を考慮した為替レートは、米ドル・英ポンド・ユーロともに円安となると見込んだこと によるもの。

 竹内製作所の2024年2月期決算短信

 決算短信参考資料