・ラマ火力発電所の13号機向け
・10号機、11号機、12号機に次ぐ連続受注で、2029年初めの運転開始へ
・ガス発電比率拡大政策に沿ったプロジェクトで、環境負荷低減に寄与
三菱重工業は4月9日、中国・香港(香港特別行政区)の香港電燈有限公司(HKE:The Hongkong Electric Co., Ltd.)が建設するラマ(Lamma)火力発電所13号機向けに、天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備を受注したと発表した。出力は38万kW級で、2029年初めの運転開始を予定。ラマ火力発電所に納入するGTCC発電設備では、2015年7月以降に順次受注した10号機、11号機および12号機に向けたものに次いで連続での受注となる。
今回のGTCC発電設備は、香港島の南西海域に位置するラマ島において、既設の9号機、10号機、11号機および12号機に隣接して建設されるもの。この案件は、CO2排出量削減など環境に対する負荷抑制の観点から、香港行政当局が目指す“エナジートランジッションフューエル”であるガスを利用した発電の比率を拡大する政策に沿った、HKEの大型プロジェクトと位置付けられている。
GTCC発電設備を構成する主要機器のうち、三菱重工はM701F形ガスタービン1台、蒸気タービン1台、排熱回収ボイラー、脱硝設備を製作・供給する。発電機は、三菱重工と三菱電機の発電機事業統合により4月1日に発足した三菱ジェネレーター(神戸市兵庫区)が担当。運転開始後は、香港島の旺盛な電力需要に応えていくことになる。
HKEは、香港における大手電力会社の一つで、香港島やラマ島へ電力供給する役割を一手に担っている。三菱重工との関係は長く、三菱重工はこのラマ火力発電所向けにガスタービン、蒸気タービン、ボイラーなどの主要な発電機器をこれまでに多数納入してきた。今回の受注も、それら設備の高い性能と実績が示す信頼性が評価されたものといえる。
三菱重工は今後も、グループを挙げて高効率で環境に優しいGTCC発電設備の普及に一層力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定供給に寄与するとともに、持続可能な脱炭素社会の実現に貢献していく。
コメントを投稿するにはログインしてください。