仏のEDFとトタルエナジーズ、住友商事のコンソーシアム、モザンビーク政府とパンダクワ1,500MW水力発電プロジェクトの共同開発契約を締結

 住友商事:2023年12月14日

 Électricité de France (以下「EDF」)(コンソーシアム内の持分比率40%)、TotalEnergies(以下「トタルエナジーズ」)(同30%)および住友商事株式会社(以下「住友商事」)(同30%)で構成するコンソーシアム(以下「本コンソーシアム」)は、モザンビーク政府によって戦略的パートナーとして選定され、パンダクワ水力発電事業案件(以下「本事業」)の開発に向けた共同開発契約をモザンビーク政府機関と締結しました。本事業はカオラバッサダムから60km下流、テテ州の州都テテから 60km離れたザンベジ川沿いに位置し、1,500 MW の流れ込み式水力発電プロジェクト(注1)として計画されています。

 本コンソーシアムのリードメンバーである EDF は、サブサハラ地域のアフリカを含む幅広い地域で水力発電プロジェクトの経験を有しており、高い技術と専門知識を本プロジェクトに展開します。また、トタルエナジーズは大規模で複雑な総合エネルギープロジェクトでの知見、特にアフリカでの知見を活用します。住友商事は、サブサハラ地域を含むIPPプロジェクトの経験を生かし、本事業のファイナンス組成に貢献します。本コンソーシアムは、パンダクワ発電プロジェクト事務所(GMNK)、モザンビーク電力公社(EDM)、およびカオラバッサ水力発電事業会社(HCB)と共同で本事業を開発し、EDMとHCBは本事業の30%、本コンソーシアムは本事業の70%を所有します。また、本コンソーシアム、およびEDMとHCBは、コンセッション契約(注2)に向けて、鉱物資源エネルギー省(MIREME)との枠組み協定も締結しました。

 本事業はモザンビークの発電容量を50%以上増強し、モザンビークおよび南部アフリカ地域内の300万世帯以上に電力を供給することで南部アフリカの経済的および社会的成長を支えます。また、24時間フル稼働を前提とするベースロード電源として安定した再生可能エネルギーを提供することで、地域のエネルギー転換に大きく貢献します。

 次の開発ステップとして追加調査を実施し、本事業の技術面・経済面のみならず、環境面・社会面での影響にも配慮した最適な形でのプロジェクトの実現を目指していきます。本事業はアフリカ開発銀行(AfDB)、および国際金融公社(IFC)を通じて世界銀行からの支援を受け、環境、社会、ガバナンスに関する国際水準を順守します。また、本コンソーシアムは投資の実行前に必要な調査と手続きを厳密に行い、すべてのステークホルダーと緊密に連携して取り組んでいきます。

 EDFグループInternational Divisionシニア・エグゼクティブ・バイス・プレジデントのBéatrice Buffonは、「私たちは、当社の水力発電に関する技術的な専門知識を活用すると同時に、地域社会や生物多様性に配慮した環境・社会へのコミットメントを発揮できる本事業に貢献できることを嬉しく思います。本事業は、同地域における電力へのアクセスを大幅に向上させるものであり、経済発展を促進する電力と革新的なソリューションにより、ネット・ゼロ・エネルギーの未来を構築するというEDFの目標とも合致しています」と述べています。

 トタルエナジーズAfricaのシニア・バイス・プレジデントのMike SangsterおよびRenewablesのシニア・バイス・プレジデントのVincent Stoquartは、「当社は本事業を通じた再生可能エネルギーへの大規模な投資により、モザンビークの人々の生活に貢献し、既存LNGプロジェクトに加えてモザンビークでのプレゼンスを拡大できることを嬉しく思います。本事業は、石油・ガス産出国でマルチエネルギー戦略を実施し、エネルギー転換を支える当社の強みを活かす代表事例です」と述べています。

 住友商事電力インフラ事業本部長の谷口晃一は、「本事業に参画できることを嬉しく思います。本事業は、南部アフリカ諸国におけるグリーンエネルギー電源のハブになるとともに、周辺地域における電力へのアクセス拡大に貢献します。住友商事グループは、2050年にカーボンニュートラルを達成することを目指しており、この目標を達成し、持続可能な社会の実現に貢献するため、再生可能エネルギー事業への参画をさらに進めていきます」と述べています。

(注1)流れ込み式水力発電:河川の水を貯水せず、自然の水流をそのまま発電に利用する方式の水力発電
(注2)コンセッション:国、自治体等が所有・管理している水道や道路などの公共施設について、一定期間、 独占的に運営する権利である「運営権」を特定の民間事業者に与えることにより公共施設の運営に民間の経営ノウハウなどを活用する手法のこと

■EDFについて
 EDFグループは、エネルギー転換期のリーディングプレイヤーとして、発電、送電、配電、エネルギー取引、エネルギー販売、エネルギーサービスなど、あらゆる事業を展開する総合エネルギー企業です。EDFグループは、主に原子力と再生可能エネルギー(水力発電を含む)を中心とした多様な発電方法で事業展開し、低炭素エネルギーにおける世界のリーディングカンパニーです。また、エネルギー転換を支援する新技術への投資も行っています。EDFの存在意義は、電力と革新的なソリューションとサービスによってネット・ゼロ・エネルギーの未来を築き、地球環境の改善、ウェルビーイング、経済発展を促進することです。
EDFグループは、約4,030万人(※1)の顧客(うち3,030万人はフランス国内)にエネルギーとサービスを供給しています(※2)。2022年の連結売上高は1,435億ユーロとなっています。
(※1)顧客数は契約ごとにカウントされます。なお、顧客は電力とガスの2つの契約を有する場合があります
(※2) ÉS(Électricité de Strasbourg)とSEIを含む

■トタルエナジーズについて
 トタルエナジーズは、石油とバイオ燃料、天然ガスとグリーンガス、再生可能エネルギー、電力などのエネルギーを生産および販売する総合エネルギー企業です。当社の100,000人を超える従業員は、より手頃な価格で、より持続可能で、より信頼性が高く、できるだけ多くの人々が利用できるエネルギーの開発に取り組んでいます。約130 か国で活動するトタルエナジーズは、あらゆる側面での持続可能な開発をプロジェクトと運営の中心に据え、人々のウェルビーイングに貢献しています。

■住友商事株式会社について
 住友商事は、フォーチュン500にランクインする世界有数の貿易・事業投資会社であり、66の国と地域に131の拠点を有しています。住友商事グループ全体は約900社で構成されており、世界的なネットワークを活用したあらゆる産業分野の商取引、顧客へのファイナンスの提供、各種プロジェクトの組成・コーディネート、企業への投資を通じて、さらなる成長の可能性を追求します。私たちのコーポレートメッセージである「Enriching lives and the world」は、次の100年に向けた持続可能な社会へのビジョンを表現したものです。私たちの使命は、社会とともに持続的に成長し、世界の発展を追求し、すべての人々のより良い生活を実現します。

 ニュースリリース
 *リリース内容から「ですます調」で表記しています。