㈱不二越が10月4日に発表した2023年11月期第3四半期連結累計期間(2022年12〜23年8月)の売上高は、建設機械分野の一部で生産調整の影響などがあった が、自動車の生産回復、産業機械・市販分野の堅調な需要と、設備需要の回復を受け、とくに、北米・中国を中心 としたロボットの拡販や、 工作機械・ベアリングなどの回復・拡大により、2,001億70百万円(前年同期比6.0% 増)となった。このうち、国内売上高は931億15百万円(同2.7%増)、海外売上高は1,070億54百万円(同9.2% 増)となった。
利益面については、原材料価格上昇分の販売価格への環流や、生産ラインの自動化・合理化、調達コストダ ウンにとり組んだが、前期から継続する原材料・エネルギー価格高騰の影響や、固定費の増加などにより、営業利益は102億52百万円(同21.0%減)、経常利益は96億49百万円(同29.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純 利益は63億円(同32.1%減)となった。
■経営成績に関する説明
第3四半期連結累計期間(22年12〜23年8月)における不二越グループをとり巻く環境は、中国経済の減速や建設機械など一部の業種 で弱さがみられるものの、自動車分野では半導体不足による減産影響が緩和され生産が持ち直すなど、総じて緩や かな回復が継続した。一方で、ウクライナ情勢の長期化、原材料・エネルギー価格の高止まりなど世界的なイ ンフレや各国の政策金利引き上げに伴う景気後退懸念など、先行き不透明な状況が継続している。
このような状況のもと、不二越グループは、中長期的な脱炭素・EV化をはじめとする産業構造の大変革を見据 え、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとして の特長を活かし、ユーザーのものづくりに寄与する新商品の開発や技術提案などにより、受注・売上の拡大にとり 組んでいる。また、利益の改善に向けて、需要の変化に対応する世界の工場再編、合理化、内製拡大など、事 業全般の構造改革を推進している。
■セグメントの業績
機械工具事業では、電機・電子、EV関連でのロボットの拡販と、工作機械需要の戻りなどにより、売上高は 665億45百万円(前年同期比12.2%増)となり、営業利益は58億87百万円(同6.7%増)となった。
部品事業では、建設機械分野の生産調整の影響で中国・欧州で油圧機器の需要が減少したが、自動車の生産回復に加え、産業機械・市販分野でベアリングの需要が堅調に推移し、売上高は1,212億24百万円(同3.3%増)となった。一方、営業利益は、鋼材・電力価格の高騰や固定費の増加により、36億45百万円(同43.4%減)となった。
その他の事業では、特殊鋼需要の回復と、販売価格の引き上げなどにより、売上高は123億99百万円(同2.1%増) となったが、営業利益は、一部レアメタルやエネルギー価格の高騰、固定費の増加により、7億22百万円(同 29.4%減)となった。
■今後の見通し
2023年11月期の通期の連結業績予想については、2023年7月13日発表の予想数値(下記)を据え置いた。
売上高2,700億円(前期比4.6%増)、営業利益 165億円(同3.1%減)、経常利益155億円(同9.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益110億円(同10.1%減) を見込んでいる。
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