リバー(東京都墨田区)は6月15日、「壬生事業所(仮称)」の開設を決定したと発表した。
■開設の経緯
日本政府は 2050 年のカーボンニュートラル実現を宣言しており、2030 年までに温室効果ガスを 2013 年度比で 46%減少させることを発表した。これらの目標達成にはサー キュラーエコノミーの実現が不可欠であり、廃棄物の再資源化には大きな期待が寄せられ ている。
同社では、大型破砕機(シュレッダー)から排出されるシュレッダーダスト※を選別 して有価物を取り出すことでダスト処分費を削減し、再資源化した有価物の売却を成長戦 略の柱としてきた。これまでも、シュレッダー由来のミックスメタル(重ダスト)につ いては那須事業所で、油圧シャー由来のダストは船橋事業所で、それぞれダスト選別・減 容化設備への投資を行ってきた。しかし、今後さらなる再資源化の増進とダスト処理費の削減を目指し、既存事業所の限られたスペースではなく、新規の土地(壬生)にシュレッ ダーダストの選別施設を開設することを決定した。
※シュレッダーダストには金属や硬質プラスチック、軟質プラスチック等、再資源化可能な 物質が多く含まれている。
■計画について
同計画は、同社が栃木県下都賀郡壬生町に所有する約 11,000 m²の土地を利用し、建屋、および選別ラインを開設するもの。同事業所は、近隣北関東に位置するグループ拠点か ら、これまで焼却・埋立処分されていたシュレッダーダストを回収し、選別の高度化により 未利用だった金属やプラスチックなどの効率的かつ安定的な再資源化を目的としている。 なお、太陽光発電システムを設置するほか、集荷したシュレッダーダストから全量の 50% 程度を有価物として回収するとともに RPF を製造・供給することで、CO2 削減を見込んでいる。
カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みが加速する中、 シュレッダーダストの処理内製化と再資源化の増進は、事業の持続可能性の観点からも重要な取り組みと考えている。同計画によって排出事業者の環境意識の高まりに先んじて対応するとともに、TRE ホールディングスグループとして、脱炭素社会と高度循環型社 会の実現に向けて、今後もさらなる設備投資を検討していく。
<計画概要>
予定地:栃木県下都賀郡壬生町壬生乙
主要設備:処理施設建屋、選別設備、保管設備、太陽光発電システムなど
投資額:43 億円
予定取扱数量:48,000 トン/ 年(シュレッダーダスト)
操業開始予定:2025 年8月