日立エナジー、アブダビ国営石油会社などが出資する陸上・洋上間連系プロジェクトで四つの自励式HVDC変換所を受注

・洋上生産設備のCO2換算排出量削減を支援し、アブダビの環境目標達成に貢献

 日立エナジーは12月22日、世界有数のエンジニアリングおよび建設会社である韓国・サムスン物産から、アブダビ国営石油会社の洋上石油・ガス生産設備とアブダビ国営エネルギー会社が所有・運営するアブダビ首長国(以下、アブダビ)の陸上電力網を連系する高圧直流送電(HVDC)プロジェクト向けに、四つのHVDC変換所を提供する大規模受注を獲得したと発表した。

 日立エナジーは、自励式HVDC「HVDC Light(R)」を用いた四つの変換所のシステム検討、設計およびエンジニアリング、機器の供給、試運転を担当する。これには、日立エナジーの制御保護システム「MACH」や、変圧器をはじめとした電力設備が含まれている。また、35年間の保守契約によりシステムの可用性と信頼性を確保する。

 受注したプロジェクトは、アブダビ国営石油会社とアブダビ国営エネルギー会社、韓国電力公社、EDFエナジー、九州電力グループが共同出資する容量3,200MWのHVDCプロジェクトで、陸上から洋上への送電を行うものとして中東・北アフリカ地域で最大級の容量かつノルウェー海域以外では初のプロジェクト。陸上のクリーンで効率的なエネルギーで発電された電力を、アブダビ国営石油会社の二つの洋上石油・ガス生産設備群に約140kmの二つのHVDCで送電し、従来、洋上のガス火力発電によって賄われていた電力をより持続可能なエネルギーに置き換えることで、洋上生産設備の温室効果ガス排出量を約30%削減する。日立エナジーは、HVDC送電線の両端に設置する四つの変換所の提供を通じて、アブダビ政府のカーボンニュートラルへの移行、ならびに2050年までに温室効果ガス排出量をネットゼロにするというアラブ首長国連邦(以下、UAE)政府の掲げる目標の達成に貢献する。

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