米キャタピラー、次世代Cat140モーターグレーダにジョイスティック操作を追加

・レバー/ステアリングとの選択制を採用、視認性と生産性を強化

キャタピラー(Caterpillar):2025年12月23日

キャタピラーは12月23日、次世代モデルのCat140モーターグレーダにジョイスティック(JOY)操作の選択肢を追加すると発表した。新型140では、従来のレバー/ステアリング(LVR)方式に加え、ジョイスティック方式を顧客が選択できる。2026年初頭の提供開始を予定しており、効率性、生産性、オペレーター快適性、稼働率向上といった次世代設計の特長を継承する。

今回の変更では、JOY専用機とLVR専用機を分けるのではなく、タンデム駆動や全輪駆動、各種テクノロジーやアタッチメントと同様に、操作方式をオプションとして選択可能とした。キャタピラーは、柔軟性と汎用性を140の強みと位置付ける。

キャタピラーのグローバル・プロダクト・アプリケーション・スペシャリスト、パブロ・ドス・サントス(Pablo dos Santos)氏は、「140モーターグレーダは長年にわたり用途の制約が少ない機械であることを実証してきた。全幅98.9インチ(2,512mm)のスリムな車体は輸送性に優れ、除雪や整地、道路建設、側溝掘削まで幅広い作業で高い性能を発揮する」と述べている。

■操作性と仕上げ品質を向上

ジョイスティック操作は、レバー/ステアリング方式に比べて手や腕の動きを抑え、オペレーターの疲労軽減に寄与する。人間工学に基づく3軸ジョイスティックを採用し、左手側でトランスミッション操作、前後進切替、変速を、右手側でドローバー、サークル、モールドボード操作に加え、電子スロットルやデフロックの手動操作を行う。

また、業界専用機能として前輪がジョイスティック入力に追従する「フォロー・ステア」を搭載。新開発の前進9段トランスミッション(仕上げ用ギア付き)と組み合わせることで、最終仕上げや縁石作業において滑らかな操作性を実現する。

■視認性と安全性を強化

次世代キャブは、角度付きドア、テーパー形状のエンジンカバー、傾斜したリアウインドーを採用し、モールドボードやタイヤ、後方の視認性を向上。標準装備の後方カメラ映像は10インチ(254mm)のタッチスクリーンに表示される。さらに、前後・360度の統合スマートカメラ(オプション)や、俯瞰表示、人物検知機能「キャット・ディテクト(Cat Detect)—ピープル・ディテクション」により、作業エリアの安全性を高める。

■次世代テクノロジーと低運用コスト

車内ディスプレーからは、機体統合型の整地制御をはじめとする次世代テクノロジーにアクセス可能。出荷時に「Cat Grade3Dレディ」に対応し、自動ブレード制御により、作業回数の削減と精度向上、時間・コスト削減を図る。位置検知シフトシリンダ(PSC)、Eフェンス回避、2基のIMUセンサーを用いたCat Cross Slope Assistも搭載する。

同氏は「新型140は出力重量比のバランスと燃費性能を改善している。世界各地で複数の実機評価を行い、累計4万時間以上の稼働データを収集してきた」と強調した。

集中配置されたサービスポイントと、延長・同期化された保守間隔により、日常メンテナンス時間の短縮と運用コスト低減にもつなげる。

新型Cat140 JOYモーターグレーダの詳細は、キャタピラーの正規ディーラー、または公式サイトで確認できる。

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