・生産能力を大幅増強
日東電工は12月23日、次世代ハイエンドデバイス市場の成長に対応するため、豊橋事業所(愛知県豊橋市)に新工場を建設すると発表した。投資総額は約390億円で、同社として過去最大規模。2028年1月の竣工を予定しており、光学フィルムや回路材料、各種機能性テープの生産能力を大幅に引き上げる。
同社は、ハイエンドスマートフォン向け光学フィルムや回路材料など、先端デバイスに不可欠な機能性材料をグローバルに供給してきた。近年は、欧州で法制化が進むバッテリー規則への対応を背景に、修理性を高める電気剥離テープの需要が拡大しているほか、有機EL(OLED)を採用したフォルダブル(折り畳み)端末の普及により、光学用透明粘着シートや部品固定用テープの需要増加が見込まれている。こうした市場環境の変化を踏まえ、将来の事業拡大を見据えて新工場建設を決定した。
新工場では、DXの活用や高度な自動化設備を導入し、安全性・品質・生産性の向上を図る。誰もが働きやすい職場づくりを進めることで、従業員エンゲージメントの向上にもつなげる考えだ。また、無溶剤塗工機などの環境配慮型設備を採用し、従来比でCO2排出量を約11%削減する計画としている。
日東電工は、「ニッチトップ戦略」と「Nitto流ESG戦略」を組み合わせ、社会課題の解決と経済価値の創出の両立を掲げる。豊橋の新工場は、環境配慮型の先端設備によって急速に進化するハイエンドデバイス市場に安定供給と高品質を提供する拠点と位置付け、持続可能な社会の実現に貢献するとしている。
<プロジェクト概要>
・事業内容:次世代ハイエンドデバイス向け機能性材料の生産拠点新設
・建設地:愛知県豊橋市中原町字平山18番地(豊橋事業所)
・投資額:約390億円
・計画内容:新工場建設、生産能力の大幅増強、DX・自動化設備導入
・環境対応:無溶剤塗工機導入、CO2排出量約11%削減
・竣工予定:2028年1月
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