・DBO方式で20年運営、最新技術でCO₂削減・火災対策を強化
JFE環境テクノロジー（千葉県千葉市)は12月23日、大分県日田市から「日田市新清掃センター整備・運営事業」を受注したと発表した。受注金額は182億9,300万円(税込)。JFEエンジニアリング(東京都千代田区)の100%子会社である同社が代表企業を務め、佐藤工業、河津建設、JFE環境サービスなどとコンソーシアムを組成、DBO方式により施設の設計・施工から20年間の運営業務までを一括受託する。
■老朽化施設の更新、環境性能の高度化へ
本事業は、既存施設の老朽化に伴う次期ごみ処理施設の整備プロジェクト。日田市大字山田807番地に、ストーカ式焼却炉(32.5トン/日×2炉、処理能力65トン/日)とマテリアルリサイクル推進施設(不燃物5.7トン/日、埋立ごみ0.6トン/日、資源物0.8トン/日)を新設する。設計・建設期間は2026年1月から2029年3月まで、運営期間は2029年4月から2049年3月までの20年間。
■JFE独自技術で環境負荷を最小化
新施設の最大の特徴は、高度な環境性能の実現にある。焼却炉には同社独自の「高温空気燃焼技術」を発展させた「対向流燃焼方式」を採用し、炉の放散熱や排ガスから積極的な熱回収を行うことで高い熱回収率を実現する。多様な省エネ技術と化石燃料削減により、温室効果ガス(CO₂)排出量を最小化する設計だ。
運転面では完全自動運転システム「BRA-ING®」を導入。幅広いごみ量・ごみ質に対応しながら、燃焼の安定化と環境負荷低減を両立させる。
■AI技術で火災リスクに対応
昨今、廃棄物処理施設で課題となっているリチウムイオン電池由来の火災対策にも万全を期す。AI煙検知システム「Smoke AI®」をはじめとしたJFE独自の火災対策技術を導入し、火災を未然に防止する体制を整える。同システムは画像認識技術により、煙の発生をリアルタイムで検知、迅速な対応を可能にする。
■廃棄物処理市場の動向
全国的に老朽化した廃棄物処理施設の更新需要が高まる中、環境省は施設の長寿命化と環境性能の向上を推進している。特に近年は、カーボンニュートラルへの対応や、リチウムイオン電池など新たな廃棄物への対策が求められており、先進技術を持つプラントメーカーへの期待が高まっている。
JFEエンジニアリンググループは廃棄物処理プラントのリーディングカンパニーとして、これまで全国で多数の実績を積み重ねてきた。同社は今後も、SDGs(持続可能な開発目標)の達成と社会課題の解決を目指し、顧客ニーズに合わせた最適な技術提供を進める方針だ。
＜プロジェクト概要＞
発注者: 日田市
事業名: 日田市新清掃センター整備・運営事業
工事場所: 大分県日田市大字山田807番地
受注金額: 182億9,300万円(税込)
設計・建設期間: 2026年1月～2029年3月
運営期間: 2029年4月～2049年3月(20年間)
焼却施設: ストーカ式32.5t/日×2炉
リサイクル施設: 不燃物5.7t/日、埋立ごみ0.6t/日、資源物0.8t/日
主な採用技術: 対向流燃焼方式、BRA-ING®(完全自動運転)、Smoke AI®(AI煙検知)
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