古河ロックドリル、油圧ブレーカを13年ぶりに全面刷新、新『FHB』シリーズを2026年1月発売

古河機械金属グループでロックドリル事業を担う古河ロックドリルは12月18日、油圧ブレーカのフルモデルチェンジ機となる新『FHB』シリーズを開発し、2026年1月から販売を開始すると発表した。破砕性能の向上と操作性の改善を両立し、国内外の建設・土木現場での作業効率向上を狙う。

古河ロックドリルは、1914年に始まるさく岩機技術を源流とし、油圧ブレーカ分野では50年以上にわたり技術開発と品質・アフターサービスを積み重ねてきた。今回の『FHB』シリーズは、1975年に油圧作動機構を初採用した「HB」シリーズから数えて第5世代に当たり、現行の第4世代「Fxj」シリーズの後継機となる。

新シリーズは、FHB12、16、18、20、27、35、45の7機種をラインアップ。このうちFHB18は、欧米市場で普及が進む油圧交換式カプラ搭載の油圧ショベルや油圧ホイールショベルに対応した、17~18トン級向けの輸出モデルとして位置付ける。

技術面では、3次元流体解析を活用してブレーカ内部の流路抵抗を低減し、打撃力を強化。作業時間の短縮に加え、エンジン負荷の低減による燃費改善や二酸化炭素排出抑制にもつなげた。打撃ストロークの切り替えには、工具操作だけで90度回転させることでショート、ロング、空打ち防止の各モードに変更できる「QUICK SWITCH VALVE(QSV)」を標準装備(対応機種)。従来のスクリュウ式調整に比べ、段取り時間の大幅な短縮を図った。

さらに、オプションとして「SMART STROKE SYSTEM(SSS)」を設定。破砕物の硬さを検知し、打撃ピストンのストローク長を自動制御することで、常に最適な打撃力を確保する。硬岩破砕後の余分なエネルギーを抑え、空打ちによる本体ダメージを軽減する点も特徴だ。

使用環境に応じた仕様展開も強化した。超低騒音仕様の「SS-BOX」、スタンダードなサイドブラケット仕様、破砕力と作業範囲を両立した超低騒音「SV-BOX」、タフさを重視したサイドプレート仕様の4タイプを用意。超低騒音仕様では樹脂ダンパーを内蔵し、振動・騒音低減と軽量化を図っている。加えて、消耗部品の寿命延長やメンテナンス性向上を目的に、オートグリース装置もオプション設定した。

ICT活用では、稼働データを可視化する帳票配信サービス「FA-CARE」に対応。油圧ブレーカの運転時間や空打ち時間などを収集・配信し、施工管理や保守の効率化を支援する。関連技術は国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)にも登録されている。

古河ロックドリルは、新『FHB』シリーズを通じて、作業効率と環境性能、安全性を高次元で両立させ、国内外のインフラ整備現場への貢献を一段と強める。

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