ダンフォス、建機・車両向けオープンサーキットポンプ「X1P」が業界アワード2部門で最高評価

ダンフォス(Danfoss):2025年12月16日

ダンフォス・パワー・ソリューションズ(Danfoss Power Solutions)は、中出力クラスの移動体機械(建機・車両)向けに開発したオープンサーキットポンプ「X1P」が、2つの業界アワードプログラムにおいて最高賞を受賞したと発表した。X1Pは、コンパクトかつ高い柔軟性を備えた設計の中で、卓越した性能を実現している点が評価された。

X1Pは、制御性、耐久性、サステナビリティを向上させるとともに、騒音低減にも寄与する革新的な設計を採用。限られた搭載スペースが求められる建設機械や農業機械などに向け、従来製品よりも高い出力密度を小型パッケージに集約した。

特長の一つが、特許出願中のスワッシュプレート構造である。ローラーエレメント式クレードル軸受を採用することで、同クラスのポンプと比べて全長を最大25ミリ短縮。これにより、75cc・280バールクラスとしては市場最短のポンプを実現した。さらに、この独自設計によりヒステリシスを最大80%低減し、正確で再現性の高い流量制御を可能にしている。スムーズで信頼性の高い機械動作に寄与するほか、制御部の取り付け構造を最適化することで、一般的な漏れポイントを排除し、制御機構の長寿命化も図った。

ダンフォス・パワー・ソリューションズのオープンサーキットポンプ担当グローバル・プロダクト・ポートフォリオ・マネージャーであるヴィンス・イーワルド(Vince Ewald)氏は、「全く新しいX1Pアキシャルピストンポンプがこのような評価を受けたことを大変光栄に思う。性能とパッケージングの両面で盛り込んだ技術革新が、今回の受賞につながった」とコメント。「制御性能の向上とサステナビリティを重視しながら、業界最短の75ccパッケージで高性能・高出力密度を実現する新世代の主力製品を市場に提供できた」と述べた。

X1Pは、長寿命化と循環性(サーキュラリティ)の最適化を目的に、実績あるコンポーネントをベースに設計されている。ダンフォスの制御機器、シャフト、軸受、回転部品を組み合わせ、フィールドで数百万時間に及ぶ稼働実績に裏付けられた信頼性を確保。既存ポートフォリオの部品を再利用することで、製品ライフエンド時の環境負荷や廃棄物削減にも配慮している。摩擦ポイントを減らした設計により、リマニュファクチャリング工程も簡素化され、交換部品点数の削減につながるという。

今後について同社は、X1Pオープンサーキットポンプ向けに、より高度な新制御オプションの投入を予定している。これにより、用途の幅をさらに広げ、顧客ニーズの多様化に対応していく方針だとしている。

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