長谷工コーポレーション、千葉県成田市に竹チップ製造工場新設

・放置竹林由来の竹を建設・農業資材として活用、循環型事業を本格化

長谷工コーポレーション(東京都港区)は12月18日、千葉県成田市に「竹チップ製造工場」を新設すると発表した。放置竹林の整備で発生する竹を原料に、建設副産物の再資源化や環境負荷低減につなげる。2026年10月の本格稼働を予定している。

新設する千葉工場は、全国的な課題となっている放置竹林の有効活用と、建設現場で発生する汚泥の再資源化を両立する拠点として位置付ける。竹を約5ミリメートルに粉砕した竹チップを安定的に供給し、セメント系固化材の使用削減による年間CO₂排出量低減も見込む。

同社は2024年3月から、福岡大学工学部の佐藤研一教授との共同研究により、竹チップを用いた「杭汚泥の固化処理技術」(特許出願中)の開発を進めてきた。建設工事で発生する汚泥に竹チップを添加して安定化・再資源化するもので、環境負荷低減に加え、CO₂の地中貯留効果も期待される。実用化の目途が立ったことから、竹チップの安定供給体制構築が急務となり、今回の工場新設を決めた。

千葉工場では、千葉県森林組合や周辺自治体、NPO法人などから調達した竹材をチップ化。杭汚泥固化材や地盤改良材、植栽材といった建設資材のほか、肥料や飼料などの農業資材として販売する。今後は竹害が深刻な関西圏や東海圏への事業展開も視野に入れ、竹チップの用途拡大を進める方針。

長谷工コーポレーションは、2021年12月に制定した長谷工グループ気候変動対応方針「HASEKO ZERO-Emission」に基づき、建設現場の脱炭素化を推進している。今回の取り組みもその一環と位置付け、事業を通じた社会課題の解決と企業価値向上の両立を図る。

<千葉工場概要>
住所 : 千葉県成田市
敷地面積 : 約3,200m2
施設構成 : テント型工場棟、事務所棟、屋外備蓄ヤード、駐車スペース
着工月 / 竣工月 : 2026年3月(予定) / 2026年9月(予定)
稼働開始 : 2026年10月(予定)
事業内容:放置竹林由来の竹材を原料とした竹チップ製造・販売
主用途:杭汚泥固化材、地盤改良材、植栽材、農業資材(肥料・飼料)

ニュースリリース