富士フイルム(東京都港区)は12月18日、インスタント写真システム「インスタックス(instax™)」“チェキ”用フィルムの世界的な需要拡大に対応するため、神奈川事業場足柄サイト(神奈川県南足柄市)で約50億円の設備投資を実施すると発表した。生産設備を増強し、フル稼働後の生産能力を2025年度比で約1割引き上げる。
同社によると、今回増設するチェキ用フィルムの生産設備は2026年春から順次稼働を開始し、同年秋以降にフル稼働する計画。世界100カ国以上で展開するインスタックス“チェキ”シリーズの需要拡大を背景に、安定供給体制の強化を図る。
インスタックスは1998年の発売以来、アナログインスタントカメラに加え、ハイブリッドインスタントカメラ、スマートフォンプリンター、手のひらサイズカメラなどへ製品ラインアップを拡大。近年は、イベント用途向けアプリ「インスタックス ビズ(instax Biz™)」の展開などにより、ビジネス用途にも利用シーンが広がっている。こうした取り組みを背景に、インスタックス“チェキ”シリーズの累計販売台数は2024年度末に1億台を突破した。
富士フイルムは2022年以降、チェキ用フィルムの生産設備投資を継続的に実施している。2022年の約20億円、2023年の約45億円に今回の投資を加えると、直近の累計投資額は約115億円となり、生産能力は2022年度比で約5割増となる見通しだ。
同社は今後も「撮ったその場ですぐにプリントできる」インスタックスの価値を世界に広げ、写真の新たな楽しみ方の創出と需要拡大に対応した生産体制の強化を進めるとしている。
<プロジェクト概要>
事業所:神奈川事業場 足柄サイト
所在地:神奈川県南足柄市中沼210
総投資金額:約50億円
主な内容:チェキ用フィルム生産ラインの増設、付帯設備の整備
稼働開始:2026年春より順次稼働予定