三菱重工グループ、米国向けアフターサービスのオンコール対応を刷新

・生成AI活用で顧客満足度と業務効率を同時に向上

三菱重工グループは12月18日、米国市場におけるアフターサービス体制の強化に向け、24時間365日対応のオンコールサービスを抜本的に刷新したと発表した。三菱重工機械システム(MHI-MS)が中心となり、生成AIや音声認識技術を活用した新たな仕組みを導入。顧客満足度の向上と、オペレーターの業務負荷軽減を同時に実現した。

今回の取り組みは、同グループのデジタルイノベーションブランド「ΣSynX(シグマシンクス)」の一環。海外市場での事業拡大を背景に、問い合わせ対応の品質ばらつきや、通話記録作成に伴う負担増といった従来課題の解消を目的としている。

新たなオンコール対応では、顧客との対話履歴を一元管理。電話の自動振り分けに加え、音声認識による会話内容の自動テキスト化、AIによる要約・登録を行うことで、対応後の事務作業を大幅に効率化した。さらに、蓄積したデータを基に、AIがオペレーターへ回答案を提示し、関連する技術文書を即座に検索できる仕組みを構築。これにより、応答スピードと回答精度の向上を図っている。

導入効果として、通話記録の自動化により、月間の記録件数は従来の約150件から約500件へと3倍以上に増加。オペレーターへの回答支援によって、対応品質の均一化と負荷軽減にもつながった。

三菱重工グループは今後、機器の遠隔監視やAIによる運用最適化などをアフターサービス全般に展開する方針。運転・保守・検査データを横断的に連携させ、サービス全体の知能化を進めることで、人に依存しない高品質なサービス体制を確立し、グローバル競争力のさらなる強化を目指す。

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