・電子制御事業拡大に向け約8.5億円を投じ生産能力を強化
カナデビア(大阪市住之江区)は12月18日、舞鶴工場(京都府舞鶴市)において、電子ボードの新工場建設工事を開始したと発表した。半導体製造装置向け電子ボードや、カーボンナノチューブ(CNT)を用いた「ヒタカ(HiTaCa)」フィルムヒーターなどの需要拡大を見据え、生産拠点の集約と増産体制の構築を進める。
同社は1950年代に陸上機械事業を拡大する中で電気・計装制御技術の重要性を認識し、1975年に電子制御機器事業を開始。舞鶴工場を中核拠点として、半導体製造装置、鉄道車両、食品工場向けなどに電子ボード、制御システム、映像記録装置を供給してきた。
舞鶴工場ではこれまで、電子ボードやユニット製品を「電子機器センター」、各種制御装置を「制御機器センター」でそれぞれ研究開発・生産してきた。今回、半導体市場の拡大を背景に、電子機器センター機能を制御機器センターが所在する区画へ移転・集約するとともに、新たに「電子ボード工場」を建設。これにより、電子ボードの生産能力を従来の約29万枚/年から約49万枚/年へと引き上げる。
また、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを用いたバッテリーマネジメントユニットや、ヒタカ(HiTaCa)フィルムヒーターなどを手掛けてきた電子機器センターについては、第1・第2実験棟を改築し、「ユニット工場」として再整備する。再生可能エネルギー関連の大型蓄電池製品や、半導体製造装置向けCNTヒーター応用製品の需要増加に対応し、ユニット化専用工場として活用する。
総投資額は約8.5億円。電子ボード工場は2026年9月、ユニット工場は2026年4月の稼働開始を予定しており、全体の工事完了は2026年8月を見込む。
同社は今回の設備投資を通じて、舞鶴工場における電子制御機器関連の生産能力を一段と拡大し、半導体分野や蓄電池、CNT応用製品などの成長市場への対応力を高めていく方針。
なお、ヒタカ(HiTaCa)は、同社が独自に開発した垂直配向性CNTシート材を発熱体とする面状ヒーターで、東海道・山陽新幹線の台車部着雪防止用途などで採用実績を持つ。
<プロジェクト概要>
投資額:約8.5億円
導入場所:カナデビア舞鶴工場(京都府舞鶴市字余部下1180)
施設規模:電子ボード工場:延べ床面積1,122.25㎡
施設規模:ユニット工場(第1実験棟):延べ床面積576.69㎡
施設規模:ユニット工場(第2実験棟):延べ床面積569.15㎡
稼働予定:ユニット工場:2026年4月
稼働予定:電子ボード工場:2026年9月
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