日本産業機械工業会がまとめた2025年10月の産業機械受注総額は3,983億円となり、前年同月比9.7%増となった。内需が2,723億円(同6.2%増)、外需が1,260億円(同18.1%増)といずれも堅調に推移した。
内需では製造業向けが18.8%増と好調だった一方、非製造業向けが▲20.7%減と大きく落ち込んだ。官公需向けは26.9%増、代理店向けは2.2%増となった。
機種別では5機種が増加し、特にタンク(97.4%増)、その他機械(58.3%増)、変速機(11.4%増)、ボイラ・原動機(10.5%増)、ポンプ(3.8%増)が伸びた。減少したのは鉱山機械(▲27.2%減)、金属加工機械(▲25.0%減)、プラスチック加工機械(▲27.7%減)、運搬機械(▲19.0%減)、送風機(▲12.4%減)、圧縮機(▲11.7%減)、化学機械(▲3.5%減)の7機種だった。
外需ではプラント案件はなかった。機種別ではボイラ・原動機(67.8%増)、プラスチック加工機械(98.0%増)、鉱山機械(44.4%増)、化学機械(42.3%増)、変速機(27.6%増)、その他機械(7.2%増)の6機種が増加した。一方、タンク(▲100.0%減)、金属加工機械(▲65.4%減)、送風機(▲75.6%減)、圧縮機(▲44.9%減)、運搬機械(▲40.5%減)、ポンプ(▲2.6%減)の6機種は減少した。
■輸出契約、19.4%増の1,121億円、単体機械が好調
10月の輸出契約額は、主要約70社で1,121億円と前年同月比19.4%増となった。プラント案件はなく、単体機械の輸出が1,121億円(同25.5%増)と好調に推移した。
地域別では、アジアが62.1%、北アメリカが17.0%、ヨーロッパが8.7%、中東が6.8%、ロシア・CISが3.1%の構成比となった。
単体機械の機種別では、ボイラ・原動機(72.1%増)、プラスチック加工機械(113.3%増)、化学機械(71.3%増)、冷凍機械(56.8%増)、鉱山機械(35.7%増)、変速機(29.1%増)の6機種が増加した。一方、タンク(▲100.0%減)、金属加工機械(▲58.0%減)、送風機(▲75.6%減)※、圧縮機(▲44.9%減)※、運搬機械(▲14.1%減)、その他機械(▲4.0%減)の6機種は減少した。
※圧縮機と送風機は風水力機械に含まれる
■環境装置の受注、39.8%増の550億円、官公需が大幅増
10月の環境装置受注額は550億円で、前年同月比39.8%増となった。官公需向けの大幅な増加が全体を押し上げた。
需要部門別では、製造業向けが窯業向け排ガス処理装置、機械向け産業廃水処理装置の増加により0.3%増となった。非製造業向けはその他向け事業系廃棄物処理装置の減少により▲12.5%減となった。官公需は都市ごみ処理装置の増加により33.6%増となった。外需は下水汚水処理装置の増加により1,012.8%増と大幅に伸びた。
装置別では、大気汚染防止装置が窯業向け排ガス処理装置の増加で31.1%増、水質汚濁防止装置が官公需向け汚泥処理装置の減少で▲0.8%減、ごみ処理装置が官公需向け都市ごみ処理装置の増加で86.9%増、騒音振動防止装置がその他製造業向け騒音防止装置の減少で▲95.4%減となった。
2025年10月の受注統計により、産業機械業界は内外需ともに堅調に推移し、安定的な成長を続けていることが明らかになった。