日立建機、欧州に「LANDCROS」冠の新開発会社を設立

・バッテリーショベル・ICT建機の開発を強化、ドイツで研究開発体制を拡充

日立建機は12月11日、欧州で拡大する電動建機・ICT建機の需要に対応するため、ドイツに100%出資の新会社「LANDCROS Development Center Europe GmbH(ランドクロス開発センター欧州)」を2026年1月1日付で設立すると発表した。2027年の商号・ブランド移行計画発表後、「LANDCROS」を冠した初のグループ企業となる。

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同社は先進的ニーズの集まる欧州に研究開発拠点を設け、中長期のロードマップに基づき、バッテリー駆動式ショベル、ICT対応建機、施工ソリューションの開発速度を高める。環境規制が世界で最も厳しい地域の一つである欧州では、ゼロエミッション建機や省人化・効率化を志向したICT機能への需要が急速に高まっている。

■欧州の高度ニーズに対応、KTEGとの役割分担も再編

欧州では販売代理店や改造専業会社が標準機をベースに多用途機やICT建機を開発・販売することが一般的で、技術革新のスピードが速い市場とされる。

日立建機グループはこれまで、欧州代理店キーゼル(Kiesel GmbH)系のKTEG GmbH(キーゼル50.1%、日立建機49.9%)と協業し、バッテリー駆動式ショベルや応用製品を開発してきた。

今後は役割を明確化し、KTEGが欧州市場向け応用製品の開発・マーケティングを担い、新設するランドクロス開発センター欧州は、バッテリー建機、ICT対応製品、施工ソリューションの研究開発を主導する。建設機械・自動車分野の高度人材を対象に、将来的には100名規模まで開発体制を拡大する計画だ。

■「持続可能なイノベーションへの重要な一歩」

日立建機の中村和則執行役常務(パワー・情報制御プラットフォームBU長)は次のようにコメントしている。

「欧州に研究開発拠点を設けることで、世界中のお客さまの進化するニーズに応えるバッテリー駆動式ショベル、ICT対応製品・ソリューションの開発を加速させます。今回の設立は、環境配慮型ソリューションで建設機械の未来を形作る当社のコミットメントを強化するものです」

同社は2027年4月1日に商号を「ランドクロス株式会社」、コーポレートブランドを「LANDCROS」に変更する予定で、欧州での研究開発強化は新ブランド戦略の柱にも位置づけられる。

<ランドクロス開発センター欧州の概要>
• 会社名:LANDCROS Development Center Europe GmbH
• 所在地:ドイツ連邦共和国 ヘッセン州
• 設立:2026年1月1日(当局認可取得が条件)
• 資本金:200万ユーロ(約3.3億円、1ユーロ=166円で換算)
• 出資比率:日立建機 100%
• 従業員数:約15人(設立時)
• 事業内容:建設機械等の研究開発

画像:バッテリー駆動式ショベル ZE135(スウェーデン 首都ストックホルム)

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