メッツォ(Metso):2025年12月9日
フィンランドに本社を置くメッツォは12月9日、米国ペンシルベニア州ピッツバーグに新オフィスを開設した。バルクマテリアルハンドリングおよび港湾ソリューション分野におけるエンジニアリング能力を強化し、北米市場での顧客対応力を高める狙い。
■顧客近接性と技術支援を強化
新拠点にはすでに約20名の専門家が勤務しており、今後さらに人材を拡充する計画。ピッツバーグ大学(University of Pittsburgh)、カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)、デュケイン大学(Duquesne University)など地域の学術機関とも連携し、若手人材の育成にも取り組む。
メッツォのジョナサン・アレン(Jonathan Allen)上級副社長は、「鉱物バリューチェーン全体に価値を提供する当社のサービスを、北米顧客により近い場所で展開できることは大きな意義がある」と述べ、地域経験と先端技術の融合によるイノベーション推進を強調した。
■北米市場での戦略的展開
バルクマテリアルハンドリングソリューション担当副社長のスシャンタ・ダッタ(Sushanta Dutta)は、「北米は強固な設置実績を有する重要市場であり、新拠点は顧客との関係深化やライフサイクルサービス提供の拠点となる」と語った。各設備の導入を顧客接点と位置づけ、長期的な価値創出を目指す姿勢を示した。
■100年以上の実績と8,000件超の導入
メッツォは世界で8,000件以上のバルクマテリアルハンドリング設備を納入しており、鉄道車両ダンパー、アプロンフィーダー、ベルトフィーダー、コンベヤ、スタッカー、リクレーマー、船舶ローダー・アンローダー、ケーブルベルトコンベヤなど幅広い製品群を提供。設計から供給、サービスまでライフサイクル全体をカバーする総合力で顧客の操業ニーズに応えている。
■企業概要
メッツォは骨材、鉱物処理、金属精錬産業向けに持続可能技術とエンドツーエンドのソリューションを提供する世界的企業。本社はフィンランド・エスポーにあり、2024年末時点で約50カ国に1万7,000人の従業員を擁し、売上高は約49億ユーロ。ナスダック・ヘルシンキに上場している。