・ミネソタ本社敷地に最新試験設備を建設、2027年竣工予定
ダイキン工業は12月10日、米国子会社のダイキンアプライドアメリカズ(DAA社)が、ミネソタ州ミネアポリスの本社敷地内に最新鋭の開発試験設備を建設するため、1億6,300万ドル(約256億円、157円換算)を投資すると発表した。データセンター市場の急拡大を背景に、ハイパースケール環境に対応した冷却技術の開発を加速する。

今回新設する施設は延べ71,000平方フィートで、すでに9室の試験室が段階的に試運転を開始している。全体の完成・稼働開始は2027年を予定。高負荷環境を模擬できる高度な試験能力を備え、データセンター冷却の新技術開発を強化する。4室の試験室では、二次側機器の次世代技術開発にも焦点を置く。
DAA社の西脇優COOは、「世界水準の試験設備により、急速に変化する環境要求に応える先進技術をより迅速に提供できる」と述べ、革新推進への強い姿勢を示した。
■ データセンター向け冷却技術の開発を加速
AI普及やクラウド需要拡大により、データセンター需要は急伸している。冷却機器市場は2030年に166億ドルへ成長すると見込まれ、特に高密度環境に適した冷却技術の重要性が増している。
DAA社データセンターソリューション担当VPのGreg Jeffers氏は「データセンターの未来を形づくる投資」と強調。高密度・高発熱環境での設計・検証能力を強化し、包括的な冷却ソリューションの拡充を図る。
■ 戦略的買収との相乗効果でポートフォリオ強化
DAA社は近年、データセンター事業を強化する以下の企業を買収している。
• DDC Solutions:超高密度冷却キャビネットと管理ソフトウェア
• Chilldyne:AI向け負圧式液体冷却システム
• Alliance Air:カスタム・エアハンドリング設備の設計・製造
今回の投資により、これら買収企業とのシナジーがさらに深化し、製品群の競争力が一段と高まるとしている。
■ 米国での生産・人材育成へのコミットメント
ミネソタ州の事業拡大は、同地域の高度技術人材を活かした試験・開発体制の強化につながる。新設備はエンジニアや技術者の育成拠点としても機能し、次世代冷却技術の開発力を高める。
ダイキンは米国で従業員数が2015年比2.3倍の2万5,000人超へ増加。25カ所の製造拠点を中心に総額90億ドル超を投資しており、全米50州で販売・サービス網を展開する。
■ プロジェクト概要
• プロジェクト名: DAA社・最新試験設備建設
• 所在地: 米国ミネソタ州ミネアポリス(DAA社本社敷地内)
• 投資額: 1億6,300万ドル
• 施設規模: 71,000平方フィート
• 主目的: データセンター向け冷却技術、二次側機器の次世代技術開発
• 試験室: 計13室(うち9室が試運転開始)
• 稼働開始: 2027年予定
本設備の稼働により、ダイキングループは業務用・データセンター向け空調の次世代イノベーションを牽引する体制を一段と強化する。
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