韓国系自動車部品大手JEM、秋田・横手に新工場、ヴァレオ秋田の全従業員引き継ぎ

・電装品で実績、国内3拠点目
・ペットボトル回収機など新事業も

秋田県は12月1日、韓国の大手自動車部品メーカー、珍迎電機の日本法人であるJEM-JAPAN TECHNO(茨城県つくば市、代表取締役社長:金斗英氏、資本金2,740万円)の横手市への進出を発表した。同社にとって国内3拠点目となる秋田工場は、2025年12月の操業開始を予定している。

今回の進出は、仏系自動車部品メーカーのヴァレオジャパンが生産体制改革の一環として秋田工場を手放すことに伴い、同工場を引き継ぐ形で実現した。JEM-JAPAN TECHNOは、ヴァレオ秋田工場が培ってきた技術力を高く評価し、全従業員63名を継承。既存の生産を継続しながら、国内主要メーカー向け自動車部品の増産を図る。

新工場は横手市雄物川町大沢字根羽子沢に立地し、敷地面積約5.4万平方メートル、建物面積約6,900平方メートル。総投資額は約2億7,000万円で、自動車用スイッチ類の製造を主力事業とする。操業時は63名でスタートし、将来的には86名体制への拡大を計画している。

JEM-JAPAN TECHNOの親会社である珍迎電機は、韓国内に4工場と1研究所、中国に3工場、メキシコ、インドに各1工場を展開するグローバル企業。主力製品の自動車用リレーは韓国製自動車のほぼ全てに採用されており、トヨタ、日産、ホンダなど日本の大手メーカー向けでも豊富な納入実績を持つ。

注目されるのは、自動車部品製造に加え、ペットボトル減容回収機など新規事業の展開も計画している点だ。自動車業界が電動化や脱炭素化に向けて大きな転換期を迎える中、同社の多角化戦略が秋田県の産業振興にどう貢献するか、今後の動向が注目される。

同社は茨城県に本社・つくば工場と稲敷工場の2拠点を持ち、従業員124名を擁する。秋田工場の操業により、東北地方での生産体制を強化し、国内主要自動車メーカーへの供給体制をさらに充実させる構えだ。

<設備投資概要>
立地場所:横手市雄物川町大沢字根羽子沢52番地66号
事業内容:自動車部品(スイッチ類)の製造
総投資額:約2億7,000万円
用地面積:53,688m²
建物面積:6,872m²
人員:操業時 63名、将来計画 86名
操業開始時期:2025年12月

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