ユングハインリッヒ、ロシア子会社売却完了を2026年に延期、2025年業績予想を上方修正

ユングハインリッヒ(Jungheinrich):2025年12月5日

ドイツの物流機器大手、ユングハインリッヒは12月5日、完全子会社であるユングハインリッヒ・リフト・トラック(Jungheinrich Lift Truck OOO)のロシア法人売却完了時期が2026年にずれ込む見通しとなったことを発表した。これに伴い、同社は2025年度の業績予想を修正した。

同社は2025年7月21日、ロシアの金融投資家および資産運用会社に同子会社を売却する契約を締結し、2025年第4四半期中の取引完了を見込んでいた。しかし、ロシアの政治的・法的環境により、外国投資を管理するロシア政府委員会からの必要な承認がまだ得られていないことが判明した。

売却完了の延期により、当初2025年に計上予定だった約3,000万ユーロ(約54億円、180円換算)の損失計上は2026年に先送りとなる。

これを受けて同社が発表した修正後の2025年度業績予想は以下の通り。受注高は54億ユーロから56億ユーロ(従来予想53億ユーロから59億ユーロ)、売上高は54億ユーロから56億ユーロ(同53億ユーロから59億ユーロ)を見込む。

営業利益(EBIT)は2億2,000万ユーロから2億6,000万ユーロ(同1億6,000万ユーロから2億3,000万ユーロ)と大幅な上方修正となり、売上高営業利益率(EBIT ROS)は4.1%から4.6%(同3.1%から3.9%)を予想している。

税引前利益(EBT)は1億9,000万ユーロから2億3,000万ユーロ(同1億3,000万ユーロから2億ユーロ)、売上高税引前利益率(EBT ROS)は3.6%から4.1%(同2.6%から3.4%)を見込む。投下資本利益率(ROCE)は7%から11%(同5%から9%)を予想している。

フリーキャッシュフローについては、引き続き2億5,000万ユーロ超を見込んでいる。実効税率は39%から42%になると予想している。

同社は、取引完了の延期により、2026年度は営業利益や税引前利益、各利益率、投下資本利益率が相応に低下し、フリーキャッシュフローは相応に増加する見通しであることを指摘した。また、取引完了の正確な時期によっては、受注高と売上高が増加する可能性があるとしている。​​​​​​​​​​​​​​​​

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